「デンマーク 広がる電子化の波」が公開されました。
Japan In-depthに弊社代表安岡美佳と田中亜季が執筆した「デンマーク 広がる電子化の波」が公開されました。本記事はデンマークにおける電子決済の広がりや銀行の取り組み等について解説しています。是非ご一読ください。
News, Service, 戦略デザイン, 北欧調査 北欧ICT事情
Japan In-depthに弊社代表安岡美佳と田中亜季が執筆した「デンマーク 広がる電子化の波」が公開されました。本記事はデンマークにおける電子決済の広がりや銀行の取り組み等について解説しています。是非ご一読ください。
News, Service, 北欧調査 多様性と企業マネージメント
2018年3月18日「デンマークの障がい者雇用」の販売をアマゾンにて開始いたしました。
高福祉国家である北欧・デンマークでは、企業に障がい者を雇用する義務や法定雇用率などは定められていません。しかしながら、法定雇用率を達成する為だけに企業内で障がい者に適した業務を探す、または障がい者のニーズに応じた設備や環境を整えるなどと言ったアプローチとは全く異なる「dis-ability」(障がい)を「special-ability」(特別な能力)と捉える新しいビジネス形態独自の動きが見られるなど、独自の方法で、障がい者雇用を促進する様相が見られます。本レポートでは、そのようなデンマークにおける障がい者雇用の現状をまとめています。
本レポートについては、こちらから入手いただけます。是非ご一読ください。
エネフロ(Energy Frontline)に弊社代表安岡美佳と三木拓弥が執筆した「電気利用がエコになる 欧州データ最前線」が掲載されました。本記事はデンマークに設置される国際IT企業のデータセンターや洋上風力発電について解説しています。是非ご一読ください。
Huaweiのウェブサイトに弊社代表安岡美佳が執筆した「データの活用で快適な都市生活を実現するデンマークのスマート交通」が掲載されました。
デンマークで急速に進む交通のスマート化について解説しています。是非、ご一読ください。
9月18日から20日にかけてコペンハーゲンで行われた、日本の伝統工芸「金唐紙」のワークショップに北欧研究所のお手伝いとして参加した。日本の金唐紙研究所で活動する職人の池田氏と奥様がデンマークに招待されて、デンマークで活動するアーティストや学芸員、修復師の方々、一般人に向けて、実際に金唐紙制作の作業工程が体験できるワークショップ、金唐紙の歴史についての講演を行った。
デンマークで伝統工芸や建造物等の修復を行う修復師の団体が今から一年ほど前、コペンハーゲン中心部のKongs Nytorvのお屋敷で日本のものと見られる金唐紙の壁紙を発見した。金唐紙についてはどのように作られて西洋に技術が渡ったのか等正確な情報が得られておらず、更に知識を得たいという目的のもと今回のワークショップ実現に至った。金唐紙を制作するには、和紙に金箔を張り付けたものを竹や花がモチーフとなって彫刻されている木製の型に押し付けて、ブラシを用いてたたき、模様を紙に押し付ける。模様が浮き出てきたら最後に色をつけ、漆を塗って乾かして完成。私も初めて体験させてもらったが、特に紙に模様をつけるためにブラシでたたく工程では、長時間ブラシで叩き続けなくてはならないのと、ブラシが紙に対して垂直に当たらなければきれいに模様が浮き上がらないので、逐一確認しながら叩かなければならない点が大変であった。模様が描かれている木製の型は、新しい作品を制作する場合や修復の際に型が見つからないものや古い型で使えないものであった場合に、池田氏がご自身で彫刻するようである。今回は池田氏が日本からいくつか持参したものを使用した。
このワークショップに参加するまで金唐紙を見たこともなく知識もなかった私にとって、遠く離れたデンマークで日本の伝統技術を守ろうと興味を持ち、保存のために活動している団体が存在すること、そして実際に作品が何百年も保存されていることに大変感銘を受けた。さらに、デンマークの修復師の活動や国を挙げた伝統芸術への支援制度の充実性に興味を持ち、日本の伝統工芸継承の現状や問題点、将来についても考えさせられることが多くあった。特に金唐紙は各工程で日本独特の和紙や漆が使われていて、例えば最初の行程で使う和紙に関しては、日本原産のものは丈夫で、木製の型に押し付ける際にも破損しないような強さを持っているが、海外のものは日本のものに比べて薄く、それほど丈夫ではない。実際に、デンマークで壁紙として使われている金唐紙の修復の際には、海外のものが付け足されている場合もあると修復師の方から伺った。デンマークの修復師の方々はその点も理解していて、日本の和紙や漆に対する知識も持ち合わせており、できるだけ日本のものを使おうとしている姿勢を感じた。日本の伝統技術が広く海外にまで伝わりより多くの人の目に触れられることは、製作者にとっても私たち日本人にとっても誇り高く喜ばしいことであると考える。しかし、正しい知識や技術が何らかの過程で伝わった先にとって都合がよく便利な形に変化されてしまったり、製作者や伝統継承者の作品に込めた想いが本来とは違う形で受け取られてしまう可能性も考えらえるかと思う。その中で、今回のように実際に技術を継承する方と修復師の方々が直接交流し、本来の技術に対する知識を深められる場を設けることは、今後伝統技術を継承していく上でとても重要な役割を果たすと感じた。また、今回の池田氏のように技術を伝える側にとっても、日本の伝統芸術という視点から見たときに、何が正しく理解されていてどのような点で誤解が生じているのか、これからの継承に関する課題や解決策を考えるといったような問題意識に繋げられると感じた。
デンマークでは修復師を養成する学校があり、厳しい審査を通過したアートスクールの学生が伝統工芸や建築物の修復を行ったり、政府が資金を援助して国全体で芸術を継承していこうという動きがある。しかしながら日本を考えてみると、伝統工芸の後継者の人手不足や社会の関心の低さ等の問題が山積している。さらに、世界の中で見ても政府からの助成金は少額で、支援に力を入れているとは言えない。今後デンマークの修復師の活動や歴史、教育システムについて調査していく中で、日本の伝統工芸の現状、問題点への解決策とを関連付けて考察していきたいと考える。
News, Service, 北欧調査, 起業・ビジネス支援, ESSAY
北欧研究所は、デンマークコペンハーゲン市の修復士からの依頼を受け、日本における金唐革紙調査サポートを2016年秋、その後、日本の有識者を招聘しての金唐革紙の制作ワークショップのイベント立案、2017年9月18日から20日のイベント通訳を行いました。 More
2016年の日本におけるデンマーク映画の上映数は3本。他国との共同製作作品を合わても10本だ。しかもそのほとんどが単館系作品であり、マニアックな層をターゲットとしている。デンマークの映画なんて見たことないという日本人も多いだろう。しかし、実際は、奥深い歴史を持ち、同時に、今日のドキュメンタリー映画界に大きなイノベーションを起こし続けている。今回は、デンマーク映画を語るのに欠かせない5つのキーワードをもとに日本人にとってミステリアスなデンマーク映画の世界を紐解く。 More
デンマークに住み始めて、文化、特に芸術面に関する事柄で日本と大きく違うと感じることが多々あった。例えば、多くのデンマーク人は特に芸術を専門にしていなくても芸術に対する知識が豊富で芸術に対する関心・意識がとても高い。また、美に対するこだわりも強いようで、例えば私の周りの友人の多くは普段の何気ない、自分のために作る昼食一つに対してもとても見栄えを気にする。一般のデンマーク人が描いたスケッチひとつにしても、日本人には思いつかないような発想や色使いで、どうしてこのような違いが生まれるのかだろうと疑問に思うことがあった。そのような中、デンマークの文化政策について調べるうちに、感じたことや気づいたこと、それらの答えの手がかりとなり得るものがいくつかある。
まず、日本との大きな違いを感じたのは、デンマークの文化政策の根底に「文化活動に触れる機会はみなが平等に持つべきである」という概念が存在していることである。文化活動に触れる機会がみなに平等に与えられるように政策がデザインされている。例えば、デンマークでは芸術に関する主要教育機関の授業料が基本的に無料であり、入学に際しては試験を受けることが条件となっている。対して日本では、芸術専門の学校に行くとなれば普通科の学校に行くよりも多額の授業料が必要となる。この点、デンマークでは環境や境遇によらず、みなが等しく芸術活動に関わる機会が与えられていると言うことができる。さらに、デンマーク人は平均して個人が美術館や図書館といった文化施設に足を運ぶ回数が多く、ここからもいかに芸術に高い関心を持っているかがわかる。結果的に普段から芸術に携わる機会が多くなり、多くの知識を得ることができるのだと考える。しかしながら、”Compendium cultural policies and trends in Europe”によると、高所得者と低所得者の間には文化施設に足を運ぶ頻度にいまだ差があり、その差を埋めることができるような政策を取り入れることも今後の課題の一つとなりそうである。
加えて、デンマークの文化政策にかかる予算は世界の中でもトップクラスのレベルで多い。それらは文化施設や重要文化財の修復費や芸術活動に関わる宣伝費、伝統芸術の保護費そして芸術活動やアーティストを支援する費用などに充てられている。デンマークでは1960年代に「アームスレングスの原理」というものが文化政策に用いられるようになったが、これは芸術に政府や政治家の干渉が及ばないようにするための決まりである。よって、デンマーク政府は予算を使って積極的にアーティストの育成や活動、さらに芸術を後世に継承していくことにも力を入れている。その例として、多くの人が訪れる美術館や博物館を重要文化施設に指定して、それらと私的スポンサーとの連携を深めることを支援している。その形態はさまざまだが、スポンサーに免税制度を適用してアーティストの活動を支援するように促すこと、公的財団を利用してアーティストに補償金を与えるなどがこれに当たる。日本の場合を考えてみると、まだまだ国全体で文化財を守っていくという意識が低いように思われる。そのため、日本政府が文化政策にかける予算はデンマークと比べてとても少ない。これはおそらく、日本人の考えの中には「文化財は国の遺産であり、国民が協力して守っていくべきである」という発想が浸透していないからであると思われる。これとは対照的に、デンマークでは政府が中心となって芸術への支援を行い、文化を継承していくための仕組みが確立されている印象を受けた。日本ではもしかしたら「芽を摘まれてしまうかもしれない」アーティストも、デンマークでは活躍できる可能性がより確保されていると言えるかもしれない。先で述べたデンマーク人と日本人の間の美的感覚の違いについても、世間の評価を気にすることよりも自分の美学を貫く姿勢が身についていることから生じるものかもしれないと思った。
今回の調査は、デンマークと日本の文化について私が日常感じていたような小さな違いから国家の方針といったような大きな違いについて考える機会となったと同時に、デンマーク社会を更に知る良いきっかけとなった。
(鵜飼麻未、北欧研究所インターン)
参照:
News, Service, 北欧調査 スマートシティ, リビングラボ, 北欧ICT事情, 幸福
北欧研究所が調査に一部協力した日本総合研究所のレポートが公開されました。「ユーザー・ドリブン・イノベーションによるスマートな街づくりに向けて-海外における「スマートシティ2.0」への取り組み-」と題して、調査部主任研究員の野村敦子さんが執筆されています。海外における取り組み事例としてデンマークのコペンハーゲン市の例がフィーチャーされており、デンマークでは市民が積極的に街づくりに参画していることが見て取れます。ぜひ、ご一読ください。
Service, 北欧調査, ESSAY 環境, スマートシティ
北欧の国デンマークは、再生可能エネルギーの普及が進んでいることで有名だ。その中心を担っている風力発電は2015年には総電力消費量の42.1%を賄うまでに成長した(ENERGYNET.DK)。世界的にもクリーンな国として知られるデンマークだが、2012年政府はエネルギー供給の100%を2050年までに再生可能エネルギーで賄うという目標を掲げる長期エネルギー計画を発表した。この目標を実現するためには、再生可能エネルギーの普及といった今までのような政策だけでは難しい。鍵を握るのは電気自動車(EV)だ。
皆さん,初めまして。私は2016年4月から1年間,コペンハーゲン大学で客員研究員として都市計画の研究に取り組んでいます。このエッセーでは私のデンマーク生活,研究活動を通じて,デンマークの都市や建築について執筆したいと思います。あまり聞きなれない言葉かもしれませんが,都市計画とは子供から大人,お年寄り,健常者,障がい者といったすべての主体が都市空間の中で「住む」,「働く」,「休む(憩う,遊ぶ)」,「動く」の活動が安全に,快適にできるように計画,運営するものです。そのジャンルは都市の再開発,都市交通,景観デザイン,人口問題,地球環境問題,そして法律など幅広く,対象とするエリアは中心市街地から郊外,中山間地域まであります。 More
北欧研究所のメンバーが中心となり編集を行った「Nordic Curator 2016 」がAmazon, Kindle本コーナーにて販売中となっております。クリスチャニア、イヤマ、フォルケホイスコーレに関する体験記事やインタビューなど、現地で暮らす私達だから見える北欧の”今”にご興味のある方は是非ご一読ください。
デンマークはオーガニック食材の市場シェアが7.6%と高く(EU加盟国の中でトップのシェア率)、スーパーマーケットに買い物へ行ってもオーガニック食材のマークである「økologisk」マークの付いた食材を見かけることが多い。
また、2014年度において、年代別の統計でみたときには、29歳以下のオーガニック食材のシェアが10.3%と、ほかのどの世代よりも上回る率となっていることも分かった。[1] なぜ、今デンマークでは若年層においてオーガニック食材のシェアが広がってきているのだろうか?デンマーク政府によるオーガニック教育政策と、格安スーパーなどでの取り扱いや価格などの視点から考察する。
Service, 戦略デザイン, 北欧調査, 起業・ビジネス支援, ESSAY 多様性と企業マネージメント
デンマーク発のアウトソーシング企業であるISSは、企業戦略として積極的にダイバーシティを促進している(前回記事を参考)。この取り組みは、女性の社会進出が進み、また移民との融合を模索するデンマーク社会の縮図のように感じられる。今回は、ダイバーシティ化についてISSデンマークにインタビューを行った内容を基に、企業の多様性について考察する。インタビューは、2016年、2月26日に、コペンハーゲンにて、ISSデンマークの広報担当アンネ・アンカー氏に行った。 More
「留学」という世界的なトレンド
経済のグローバル化が進む中で、国境を超える学生が世界的に急増している。OECDの統計によれば、他国の高等教育機関で学ぶ学生数は300万人(2007)から450万人(2012)と、わずか7年で1.5倍になった。「留学[1]」は、日本とデンマークにおいても政策レベルで議論されるテーマとなっている。
Service, 戦略デザイン, 北欧調査, ESSAY 北欧流参加型デザイン
コペンハーゲン近郊にあるフォルケスコーレ(小中一貫学校の義務教育機関)の庭をデザインする機会を頂いた。この話は普段仲良くさせて頂いているフォルケホイスコーレ(成人教育機関)のひとつ、クローロップホイスコーレから間接的に頂いたため、直接フォルケスコーレの方と話したわけではないが、現在使われていない庭が校舎裏にあり、そこを子どもたちが遊んだり野外学習したり出来るような場所として生まれ変わらせてほしいという要望のようである。 More
Service, 戦略デザイン, 北欧調査, ESSAY イノベーション・創造性教育
デンマークでは大学の持つ役割として、研究・教育の2大要素に加え、知識・文化のリポジトリとして市民に対してのアウトリーチ活動に重きをおくようにと、大学の運営方針を定める大学法令:「The Danish Act on Universities (the University Act)」により定められている。その為、デンマークでは研究者が直接市民との対話を行う、所謂”サイエンスコミュニケーション”がさまざまな形で活発に行われており、この”Science & Cocktails”もまたデンマーク(コペンハーゲン)を代表するひとつの若者に人気のある、そして非常にアクティブな科学者と一般市民の交流の場となっている。