新年のご挨拶

新年あけましておめでとうございます
皆様、どのような新年を迎えられたでしょうか。私は、クリスマス休暇は、久しぶりにゆっくり読書をしましたが、中でも注目される北欧ミステリー「熊と踊れ」が心に残っています。ミステリーなのでネタバラシは避けたいと思いますが、核家族、移民問題など現代の北欧の社会状況や現代の課題を映し出しており、改めて現代社会が抱える多くの課題に直面させられました。現在の北欧を知るためにも、ぜひ一度手にとってご覧ください。色々な意味での衝撃があると思います。

2016年は世界が大きく動き、小国の北欧にも大きな時代の変革の波が押し寄せていました。ブレグジッドの影響、米国の大統領選挙結果の衝撃は、遠く離れているように思える北欧でも感じることができるぐらいの大きなものでした。過去数年問題になっている移民や難民の問題も、解決の糸口は見えているとは言い難い状況です。しかしながら、事実を直視し、議論を続け、最善策の提案を行う。そして、各所をまきこみ個人個人が自分ごととして考える北欧諸国は、どの国よりも半歩先に解決へと向かっているように思えます。

今年2017年は、デンマークと日本の国交樹立150周年となり、外交・産業・芸術・学術のあらゆる分野での交流やイベントが予定されています。いくつかの催しには北欧研究所も貢献しています。北欧では、近年、従来の日本文化ばかりでなく、日本食や日本酒、現代アートなどへの関心も高まりを見せており、この150周年を機に、新しい関係性が生まれ、実を結ぶことでしょう。デンマークでの日本への関心や理解が広がっていることは、日本を母国とする我々にとっても嬉しい変化です。

北欧研究所も設立5年目を迎えます。昨年は、ビジネスとアートの融合、循環型経済、社会課題を解決に導くリビングラボ、イノベーティブ教育…。小国の集まる北欧ですが、そのGDP規模からは予測不能な、興味深いイノベーションが生まれており、その一端を紹介してきました。今後も、初心を忘れず、北欧研究所は、新陳代謝を重ね、新しい知見とを吸収しつつ、今まで以上に多種多様な視点からの北欧情報や調査を進めていく所存です。

日本からは、北欧は幸せな社会という評価を得ています。私は、12年の北欧生活を経て、現在、本当に幸せに満ち溢れた社会というのは、コミュニティの住人が模索し努力を重ねた結果、初めて勝ち取れるのものであり、継続して努力し続けることで維持できるものだと考えるようになりました。私たち北欧研究所は、そんな北欧の試行錯誤から学べることを伝達すること、そして、日本がよりよい幸せな国となるように、日本流の「幸せのかたち」を模索できるような幸せへのヒントを提供していきたいと思っています。
2017年も、北欧研究所(japanprdic)に変わらぬご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

北欧研究所代表 安岡美佳