北欧研究所:新年の挨拶

謹んで新春の祝詞を申し上げます。

昨年は、格別なご高配を賜り厚く御礼申し上げます。2024年の新年を迎えました。皆様、どのように新しい年を迎えられているでしょうか。

北欧研究所では、日本・北欧の両側からの大きな関心を受け、2023年も活発な研究・調査の一年となりました。企業・地方自治体・研究機関との協働や今後のプロジェクトの種が育っています。また、『北欧のスマートシティ』を片手に、多くの方が北欧を訪れ、北欧研究所に足を運んでくれました。訪問者の方達とは、意見交換の機会をいただき、また北欧のキーパーソンたちとの交流を支援しました。

北欧に寄せられる関心は、北欧のスマートシティ人を幸せにするテクノロジに注目したDX、環境テクノロジー、イノベーションハブ、など多岐に渡りますが、北欧への関心には共通性も見出すことができます。それらの北欧への多くの関心は、突き詰めると、より幸せになるための方法論の模索から来ているようなのです。多くの方が、今の社会に何らかの疑問を感じ、解決策を求め、北欧に辿り着き、北欧研究所にアクセスしてきます。

現在の溢れる社会課題に対し、より多様性に配慮した皆が幸せになれる解決策を導き出すためには、多様な立場の人の知見や参加が不可欠です。北欧の社会には、平等な社会を生み出し維持するための賢い仕組みが模索され、根付いています。社会は、一朝一夕で作り出せるものではありません。長期的なビジョンと、ビジョンを達成するだけの人材を育成するための教育と、皆が平等で暮らすことのできる仕組みづくり(民主主義)が不可欠です。それは、北欧社会の基盤に根付く民主主義や、北欧が得意とする参加型やリビングラボといった方法論から、私たちは学ぶことができると考えています。

私たちは、北欧から何を学び、何を共に考え、どのように行動に移していけば良いのでしょうか。現杉並区長の岸本里子さんが2022年出版の著書「私がつかんだコモンと民主主義」で、次のように述べています。「自分が今ある制度や関係から利益を受けている場合、それに中立であることはできない。積極的に変えようとしない限りは、現状を維持しようとする権力の一部になって加害者であり続けてしまう」。何かしらの不都合や疑問を感じるのであれば、行動しないことで、私たちは、すでに加害者となっていると言えます。

北欧研究所は、調査や分析を通じて、また、様々手段で多くの方に北欧をお伝えする事を通して、より良い社会の創造、共創を志向する多くの方達を支えたいという想いから活動しています。平等で、幸せな社会を創るためには、自分とは違う立場の人たちと共に考え、自分の知らない不都合な真実を当事者から学び続けること、そして、変えていくことだと考えています。そのような次の一歩につながる多くの方々の行動に微力ながら貢献したいと考えています。

北欧研究所は、フェイスブックリンクドインインスタグラムNoteなどで発信を続けていきます。

最後に、皆様の業務・ビジネスのさらなる充実と飛躍を祈念し、新年のご挨拶とさせていただきます。

本年もどうぞよろしくお願いします。

北欧研究所 安岡美佳