カテゴリー: ESSAY

  • インターン体験記:川中 琴花

    インターン体験記:川中 琴花

    2025年2月から8月までの約半年間、北欧研究所でインターン生としてお世話になりました。この期間を通して多くの学びと経験を得られたこと、そして温かく迎え入れてくださった北欧研究所の皆さまに、心より感謝申し上げます。

    私が半年間携わった業務は、北欧諸国に関するレポートの執筆、イベント運営のサポート、そしてSNSを通じたデンマーク生活の発信です。レポート執筆では、建築プロジェクトやヘルスケア分野の動向、バイオソリューションの取り組みなどデンマークで進行している出来事について幅広い分野・視点から調査し、レポートとしてまとめました。単に情報を整理するだけでなく、「日本にどう活かせるか」「日本とはどの点で異なるのか」「日本で注目されている出来事がデンマークではどのように評価されているのか」といった比較や応用の切り口を意識することで、読者にとってより身近で意味のある内容になるよう努めました。イベント運営のサポートでは、アイスブレイクセッションの企画・運営を担当させていただきました。参加者の方々がリラックスして楽しめるだけでなく、人脈を広げ、デンマークについて新たな発見を得られるよう工夫しました。デンマークに来たからこそ得られる体験として価値を感じていただけるよう努めました。
    加えて、個人研究としてはコペンハーゲンにおける墓地の公共空間化をテーマに調査・研究を行いました。現地に来て抱いた「なぜコペンハーゲンの墓地は公園のように使われているのだろう」というシンプルな疑問を、市民へのアンケートや墓地管理人へのインタビューを通じて探っていく取り組みは、とても興味深いものでした。調査を進める中で、墓地が単なる埋葬の場ではなく、市民にとって憩いや交流の場として親しまれていることが分かりました。また、コペンハーゲン市としても墓地を公共空間として積極的に活用していこうとする姿勢があり、都市における空間活用のあり方を考え直すきっかけにもなりました。

    この半年間は、人生の中でも大きな挑戦に取り組み、視野を大きく広げることができた、とても充実した時間でした。最後になりますが、安岡さんをはじめ北欧研究所の皆さまには大変お世話になりました。温かいご指導とサポートのおかげで、多くの学びと貴重な経験を得ることができ、心より感謝申し上げます。ここで得た経験や気づきを大切にし、今後の学びや将来の活動に活かしていきたいと思います。いつか成長した姿をお見せできるよう、これからも努力を重ねてまいります。

    川中 琴花

  • インターン体験記:吉里柚波

    インターン体験記:吉里柚波

    私は、2025年2月から7月までの6ヶ月間、北欧研究所でインターンをさせていただきました。北欧の地で、自身の専攻分野や関心テーマへの理解を深めたいと長年望んでいた留学でしたが、実際には北欧研究所の一員として多様な調査や発信業務に携わり、想像以上に多くの学びと実践の機会を得ることができました。私にとって非常に貴重な時間となりました。

    北欧研究所での主な業務は、脱炭素技術やエネルギー、高齢者、まちづくりに関する調査・レポート執筆のほか、共催カンファレンスに関連するツアーの企画・実施、Facebook運用などです。特に、再開発地区ノーハウンでの街歩きツアーでは、デンマークのまちづくりにおける先進事例を学び、それを参加者と共有できただけでなく、普段は接点を持ちにくい方々と直接対話する機会にも恵まれました。また、資料やレポート作成を通じて、正確性や読みやすさを重視した情報発信の大切さを再認識すると同時に、自身の強みと課題を見つめ直す機会にもなりました。

    インターン業務と並行して、個人研究として「都市計画の公共空間設計への反映に関する研究 —デンマーク・フレデリクスベア市庁舎裏広場を事例として— 」にも取り組みました。限られた期間で納得のいく成果を出すことは容易ではありませんでしたが、問いを立てて掘り下げ、文献調査・インタビュー調査・質問紙調査・観察調査を組み合わせながら、現地でしかできない研究を進めることができました。その過程で、多角的にまちを捉える視点を養うことができたと感じています。

    これらの経験を通じて、私は異なる制度や価値観を比較しながら考える姿勢を身につけました。デンマークをはじめとする北欧諸国の事例や時事問題、ライフスタイルに触れるたびに、日本との制度的・文化的な違いを意識する機会が増え、自らの考えを深めるきっかけとなりました。

    最後に、この場をお借りして安岡さんをはじめ、石本さん、樋口さん、川中さん、そして業務や研究でお世話になったすべての皆様に心より感謝申し上げます。今回の経験を糧に、残りの学生生活や将来のキャリアに向けて、探究と挑戦を続けていきたいと思います。本当にありがとうございました。

    吉里柚波

  • Social & Digital Innovation Conference 2025 を開催しました

    Social & Digital Innovation Conference 2025 を開催しました

    弊所は5月26日から26日の3日間、コペンハーゲンにおいてSocial & Digital Innovation Conference 2025を開催しました。3日間の最大の目的は、未来のデジタル社会のあり方を日本・デンマーク両国間で考えてみること、そして未来を形成するための人的ネットワークの構築でした。

    カンファレンス初日は、参加者同士の交流やネットワークを深めることを目的とした前日企画を実施しました。前半では、NTT Data、Queue-it、Front desk、Biometricの4社による企業紹介プレゼンテーションを行い、それぞれの企業が取り組む最先端の技術やサービスを発表していただきました。後半は、コペンハーゲンの街を歩きながら用意されたミッションをクリアし、デンマーク文化について触れることを目的としたアクティビティを行いました。
    リラックスした雰囲気のなかで交流を深めることができ、カンファレンス本編へ向けた良いスタートとなりました。

    27日の本カンファレンスには、日本とデンマークから総勢約50名に参加いただき、両国間の未来のデジタル社会のあり方を産官学それぞれの最新研究などをもとに、デジタルと政策・倫理・組織・都市の4つのテーマごとに議論していただきました。
    両国間でデジタル技術の内容や導入状況、社会受容の進捗は異なりますが、参加者皆様からの議論を通じて、社会課題の解決にデジタルはどう貢献できるのか、またデジタル実装を進める上で同時に考えていかなければならない配慮事項は何かを考える貴重な機会になりました。これを機に、両国間のナレッジを共有し合う関係性が深まることを期待しています。

    28日には、約10名の参加者とともに街歩きツアーを実施しました。前半はゲントフテ自治体(Gentofte Kommune)を訪問し、フロントデスク社(FrontDesk)とバイオメトリック社(Biometric Solutions)のデジタル技術が導入された行政現場を視察しました。来庁者の待ち時間短縮や本人確認の効率化など、利便性向上の工夫を学びました。後半は、港湾再開発により居住・商業・公共機能が融合したノーハウン(Nordhavn)地区を訪れ、持続可能な都市づくりの実例を体感しました。行政と都市開発の両面で先進的な取り組みに触れた1日となりました。

  • インターン体験記:宮本千央

    インターン体験記:宮本千央

     

     私は2024年9月から2025年1月までの5か月間、デンマーク工科大学への交換留学と並行して北欧研究所でインターン生としてお世話になりました。キャンパスでの学びだけでは得られない多くの経験に、心からインターンを始めてよかったと感じています。学生生活の最後の半年を、新たな学びや人との出会いに恵まれて過ごせたことは、私にとって貴重で大きな糧となりました。本当にありがとうございました。

     北欧研究所での具体的な業務としては、コペンハーゲン視察の計画・アテンド、環境・エネルギー、高齢者ケア、デジタル分野の調査・レポート執筆、Facebookアカウントの運用などを担当しました。特に、専門分野であるまちづくりに関するコペンハーゲン視察への同行では、大規模都市開発から地域コミュニティを支える拠点、行政のデジタル化や環境への取り組みなど、さまざまなまちづくりの現場を実際に訪れ、そこで活躍されている方々のお話を伺うことができ、大変勉強になりました。

     また、自身の大学での体験をきっかけとして「デンマークの大学におけるイノベーション支援の特徴」をテーマとした個人研究を進め、大学施設の担当者にアポイントを取ってのインタビューやフィールド調査を実施しました。

     これらの活動を振り返り、特に2つの視点を得られたと感じています。1つ目は、相手が本当に必要としていることを考え続ける視点です。リスト作成一つとっても、ただ求められた情報を並べるだけでなく、「相手はこの情報をどのように使うのか」を想像し、そのうえでさらに役立つ情報や文書構成を自発的に考えることで、初めて質の高いアウトプットが生まれるということを実感しました。

     2つ目は、外から日本を捉え続ける視点です。デンマークに関するニュースや事例に毎週触れ、対外的に情報を発信していくなかで、専門外のトピックでも「では日本ではどうなっているのだろう」と興味をもって調べるようになりました。生活や文化の面でも、デンマークでの暮らしを肌で感じ、社会構造の違いを学ぶにつれ、日本を今までと異なる角度から見つめ直す機会が格段に増えたと感じます。特に、安岡さんをはじめ、長年デンマークで生活している日本出身の方々の実体験に基づいたお話をうかがうことで、共感する部分や気づきも多く、日々の生活の中で新たな発見を得ることができました。未熟で言語化しきれていない部分も多いですが、こうした経験や思考のひとつひとつが私の留学生活におけるかけがえのない財産となったことは間違いないと感じています。

     こうした学びを促し、導いてくださった、安岡さんはじめ北欧研究所の方々に、感謝の気持ちでいっぱいです。今後はこの学びを必ず生かし、より成長した姿で皆様にお会いできるよう、新たな社会人生活に向けて一層邁進していきたいと思います。

     本当にありがとうございました。

    宮本千央

  • インターン体験記:外間政紀

    インターン体験記:外間政紀

     

    2024年9月から11月末までの3か月間、北欧研究所にてインターン生として活動させて頂きました。実は一年間の留学を予定していたのですが、急遽帰国することとなってしまったため、こんなにも早くこの体験記を書いていることに自分でも驚いています。

    北欧の都市開発に関心のあった私にとって、コペンハーゲンで過ごした時間は非常に濃密なもので、ただ街を歩いているだけでは見えてこない都市の裏側を学ぶことができました。
    開発の現場を実際に訪れ、取り組みに携わる方々から話を聞く。得られた学びを研究所のメンバーや、日本から視察に訪れる企業の方々とともに再考し、その結果を人に伝わりやすいようにレポートに記す。北欧の都市開発のディテールやプレイヤーのモチベーションに触れることで、暮らしやすく持続可能な都市空間の本質に近づき、日本の都市開発の前線で活躍する方々とともに活動することで、より高い視座で都市を思考する力を身につけていくことができました。
    私はコペンハーゲンの中心部で生活していて、よく街中を散策していたのですが、街並みを見て気付くこと、考えることが、初めの頃と今とでは大きく変わっており、自分自身の成長を感じています。

    「現地でしかできないことに取り組もう」という安岡さんからの教えを受け、街を歩く際には、気になることがあれば、できるだけ現地の人々に尋ねてみようと心がけていました。カールスバーグという再開発地域を歩いていた時、何気なく道を聞いた高校生くらいの男の子が「高すぎる建物はこの街にとってアンナチュラルだと思う・・・古い建物を大切に使っていきたい」と言っていたことはとても印象に残っています。
    自身が住む街について、多くの住民が高い関心と夫々の考えを持っている。市民の都市や街を創る側の人々だけではなく、実際に住んでいる人々からも多くのことを学びました。

    このような充実した留学を送ることが出来たのは、安岡さんをはじめ、北欧研究所の方々のおかげです。まず、安岡さんには、普通の大学生活では得難い経験をさせて頂いたこと、本当に感謝しています。
    北欧研究所では、情報の集め方やその伝わりやすいまとめ方といった研究の技術的な面だけでなく、学ぶ姿勢や物事の捉え方など、精神面でも多くを教えて頂きました。ミーティングの時間は、北欧や日本について多角的に考えを深めたり、街を見ていく中で得られた気付きを言語化していく重要な時間であると同時に、留学で生じるストレスや悩みを吐き出すことの出来る時間として、大きな心の支えとなっていました。素敵な方々に囲まれて、留学を最初から最後まで楽しむことが出来たと感じています。

    短い間でしたが、非常に価値のある時間を過ごさせて頂きました。北欧研究所の方々には、色々と教えてもらうばかり、施してもらうばかりでしたが、この経験を糧に成長した姿をお見せすることで、恩返ししたいと思います。
    本当に、ありがとうございました。Vi ses!

    外間政紀

  • エイブルシティ・ラボ「-able city lab」プロジェクトメンバーがコペンハーゲン訪問

    エイブルシティ・ラボ「-able city lab」プロジェクトメンバーがコペンハーゲン訪問

     

    北欧研究所は、持続的なイノベーションの在り方についての研究・実践機関リパブリックRE:PUBLICが率いるエイブルシティ・ラボ「-able city lab」に参画しています。

    今回、エイブルシティ・ラボ「-able city lab」プロジェクトメンバーがコペンハーゲン訪問をした9月30日から10月2日にかけての3日間、共に現地調査をいたしました。
    都市と人の関係を考え、イノベーションが起こる場を如何に創るか追求するリサーチプロジェクト、エイブルシティ・ラボ「-able city lab」。様々なセクターの人々が関わり合う、共創イノベーションの最前線であるコペンハーゲンのフィールドワークでは、次の場所を対象としました。
    レフスヘーレウーエン(Refshaleøen)やヤンバネビューエン(Jarnbanebyen)、ノーハウン(NordHavn)といった都市開発区域から、デモクラシー・ガレージ(Democracy Garage)やバーネゴン(BaneGaarden)、ブロックスハブ(BloxHub)、コペンハーゲン市役所(City of Copenhagen)と、様々な場所を訪れ、住民の目線に立った都市開発プロセス、人々がアイディアを持ち寄り、共創が行われる場の在り方に迫りました。

    エイブルシティ・ラボチームは、これまでのリサーチから得た知見をもとに、12月上旬に鎌倉でのワークショップ、2月上旬には公開シンポジウム「-able cityのつくりかた」を開催する予定です。是非皆様足をお運びください。

  • インターン体験記:小野愛莉

    インターン体験記:小野愛莉

     

    私は2023年9月から2024年2月までの6ヶ月間、北欧研究所でインターンをさせていただきました。

    北欧研究所での活動は、初めて触れる業務ばかりで思うように行かず大変な思いをすることも多くありましたが、大学の座学だけでは知り得なかったであろうデンマーク社会の多くの側面に触れ、社会情勢の変化をより身近なものとして体感することが出来ました。私が個人的にインターン開始時に立てた目標のひとつであった、「北欧社会を批判的に捉える」ということも、タスクを通して大いに実践することが出来ました。

    具体的な業務としては、スタートアップの調査、スマートシティとしてのコペンハーゲン視察の計画・アテンド、福祉制度の調査、XとFacebookの運用に携わらせていただきました。これらの業務を通して、全く専門外であったとしても英語・もしくはデンマーク語の原典に向き合って調査する粘り強さや、デンマーク社会を対外的に発信する際の他者視点を鍛えることが出来たと考えています。このような貴重な経験が出来たことは、私の留学生活にとってかけがえのない財産となりました。

    また日々の委託業務に加えて、私自身の個人研究にも取り組ませていただきました。「デンマークにおける包括的性教育とジェンダー観形成の関係性」というテーマで、現地のNGOにインタビューを行ったり、学生へのアンケート調査を行ったりしました。
    安岡さんや同僚の方々にアドバイスを受けながら研究を進め、日本に帰国してからも少しずつ書きためて、ようやく1つのレポートとして充実した内容にすることが出来ました。成果を発表させていただく場を持てるということは大変希有なことで、私としても留学の集大成として書き上げることができ安堵と感謝の気持ちでいっぱいです。

    実は、働き始めて間もないころ、安岡さんが「留学先で得られる繋がりの尊さ」についてお話ししてくださったことがありました。「これがしたくて自分は遠路はるばるここまで留学に来たんだ、だから力を貸して欲しい」ということを信念を持って伝えれば、予想できなかった繋がりも実現できる。留学生の信念や熱意に人は動かされるものだ。というお話でした。

    私はそのお話を聞いてから、留学して得られる環境は一生に1度だと胸に刻んでその環境を利用しまくろう、頼りまくろう、自分のコンフォートゾーンを抜け続けようと決心しました。その結果として、レポートに協力くださった方々だけでなく、教育現場やクリニックへの訪問・インタビューなど多くのご縁に繋がり、留学が何倍にも実りの多いものになりました。このように私の留学中の姿勢や方向性を正しアドバイスをくださった安岡さんには感謝の気持ちでいっぱいです。このインターンに参加したことにより、自分の信念に立ち返りながら目的意識を持って留学生活を過ごせたと思っています。

    そしてもう一つ重要なことは、コミュニティとしてこのインターンの場は非常に私にとって心安まる空間だったということです。同僚の方々との気の置けない会話や業務外での交流を持てたことにより、留学中のストレスや悩みを解消しながら過ごすことができたのだと思います。

    これら全ての貴重な経験ができましたのも、代表の安岡さん始め他のインターン生、業務で関わってくださった全ての方々とのご縁があってこそだと思っております。この場をお借りして厚く感謝申し上げます。

    いつか胸をはってまた皆様にお会いできるよう、これからの自分の研究やライフワークに努め、精進したいと思います。

    本当にありがとうございました。

    小野愛莉

  • インターン体験記:植村雄太

    インターン体験記:植村雄太

    私は2023年9月から2024年6月までの10か月間、インターン生として北欧研究所にてお世話になりました。この期間、インターン活動内外で楽しい時間を共に過ごした同僚インターン生の皆さんには深く感謝しています。また、この貴重な機会を提供してくださった上、インターンだけでなく留学生活まで気にかけ、支えてくださった安岡美佳さんには心から感謝申し上げます。

    北欧研究所の活動では、インターン生でありながら裁量を持って働くことができ、やりがいと共に大きな自己成長を感じました。委託タスクでは、北欧諸国に関するレポート作成から、県議会を対象にした視察調査の企画や同行まで、様々な内容・分野を担当しました。

    デンマークに留学して間もない私にとって、この視察調査の業務はやや荷が重かったのですが、安岡さんや他のインターン生の助けを借りて、無事にやり遂げることができました。
    特に、この視察調査の一環として行った、現地在住の日本人とのワークショップでは、司会進行を担当する機会をいただきました。非常に緊張しましたが、大学で専攻してきた行政学の知識を活かして進行することができ、最後にクライアントの皆様から感謝の言葉をいただいた時には、大きな達成感と喜びを感じました。

    また、個人研究では「日本とデンマークの官僚社会における労働環境の違い」というテーマで1年間調査・研究を行いました。研究の中で、実際にデンマークの政府関係者や官僚にインタビューを行うという、デンマークに留学し、インターンをしているからこその貴重な経験を積めたのは大きな成果です。予定通りに行かないことも多々ありましたが、最終的に約2万5000字の論文を完成させることができました。

    「デンマークのホワイトな働き方」は近年日本でも注目されていますが、デンマークの『官僚社会』の労働環境についてはあまり焦点が当てられてこなかったため、文献調査などの情報収集には苦労しました。しかし、インタビューを通じて、デンマーク官僚の一日のスケジュールや官僚社会の文化など、新たな知見を多く得ることができたので、大きな満足感を味わっています。

    何より、素晴らしい人たちに囲まれていたなと感じています。安岡さんには何度も食事に連れて行っていただき、同僚のインターン生たちは年齢や職歴に関係なく、とてもフラットに接してくれました。

    北欧研究所の活動を通じて、ビジネススキルだけでなく、目標に向かって主体的に行動する姿勢など、数多くのことを学ぶことができたと感じています。この経験は、いわゆる就活の「ガクチカ」にとらわれない、社会で活躍するための第一歩になったと自信を持って言えます。また、どこかでお会いした際にさらに成長した姿をお見せできれば嬉しいです。

    改めまして、10か月間、このような貴重な経験をさせていただき、また留学中あらゆる面で支えていただき、本当にありがとうございました。

    植村雄太

  • 北欧研究所:新年の挨拶

    北欧研究所:新年の挨拶

    謹んで新春の祝詞を申し上げます。

    昨年は、格別なご高配を賜り厚く御礼申し上げます。2024年の新年を迎えました。皆様、どのように新しい年を迎えられているでしょうか。

    北欧研究所では、日本・北欧の両側からの大きな関心を受け、2023年も活発な研究・調査の一年となりました。企業・地方自治体・研究機関との協働や今後のプロジェクトの種が育っています。また、『北欧のスマートシティ』を片手に、多くの方が北欧を訪れ、北欧研究所に足を運んでくれました。訪問者の方達とは、意見交換の機会をいただき、また北欧のキーパーソンたちとの交流を支援しました。

    (さらに…)

  • インターン体験記:宮下祐真

    インターン体験記:宮下祐真

     私は2022年9月から2023年6月までの10ヶ月間、北欧研究所でインターンをさせていただきました。正直なインターンの応募のきっかけは「せっかくの留学だから新しいことにたくさんチャレンジして、いろんな角度からデンマーク社会を見てみよう」という漠然とした動機でした。一年弱のインターンでは様々な経験を通して、キャンパスでの勉強だけでは得られなかった多くの知見やスキルを積み上げることができ、インターンを始めてよかったと心から思えました。

     

     インターンでは主に3つのタスクを行いました。一つ目のSNSの運用では、ホームページの運用やメルマガの作成を行いました。HPの閲覧者やメルマガの読者は何を求めているのかを考えながら、工夫を凝らして運用を行いました。二つ目の委託タスクでは、現地でのアポイントメントの獲得やアテンドを行ったり、北欧の企業や北欧社会に関する多くのレポートを作成したりすることを任されました。日本の様々なクライアントからの多種多様な依頼に応えながら、北欧やビジネスに関する知識・経験を積むことができました。作成したレポートに関連して、Japan in-depthエネフロという日本のメディアに自分の名前で記事を出すという貴重な経験をさせていただくこともできました。三つ目の個人研究では、「デンマークとスウェーデンの地方創生」というテーマでデンマークやスウェーデンの地方都市や農村部の地域活性化の事例について調査を行い、約8万字のレポートとしてまとめ、noteに公開することができました。北欧全般に興味を持っていた中で、北欧の地方創生という日本ではあまり知られていない切り口から、北欧社会に対する新しい発見をすることができ、多くのことを学びました。

     これまでの北欧研究所でのインターンで最も勉強になったことは、「いかに相手目線に立ってアウトプットを出せるか」ということだったと思います。今までの大学生活では「自分が何をしたいか」ということを軸に、自分中心に物事を考えることが多かったのですが、インターンでは相手がなぜその依頼をしてきたのか、何を求めているのかという他者の目線に立って物事を考えることが求められました。メルマガやSNSでは過去の閲覧履歴のデータから閲覧者が何を求めているのかを考えたり、調査レポートの作成や現地のアテンドのアレンジでは相手の依頼目的から何が必要なのかを考えて、内容を試行錯誤したり、個人研究では読者のニーズを考慮しながら、研究内容の方向性や調査内容を工夫したり、読みやすいように体裁を整えたりするという経験を積むことができました。このことはビジネスの世界では当たり前のことだと思います。それでもビジネスの世界での経験がほとんどなかった学生の私にとって、分かっていてもなかなかうまく行かないこともあり、失敗も積み重ねながら多くのことを吸収することができました。

     

    以上のような経験ができたのも、代表の安岡美佳さんや他のインターン生、北欧研究所と関わりを持ってくださったクライアントの方々のサポートがあってのことでした。

    この場を借りて厚く感謝申し上げます。

     

    この経験と学んだことを今後に必ず活かしていきます。

    ありがとうございました。

  • インターン体験記:佐藤奈々葉

    インターン体験記:佐藤奈々葉

     私は1年間、北欧研究所にお世話になりました。デンマークに来る前から熱望していた北欧研究所でのインターンシップにより、私の留学は想定していた以上に有意義な時間を多く過ごすことができるものとなりました。振り返れば、デンマークでコロナウイルスが通常の風邪と同じように扱われるようになったころに到着し、特に当初は慣れないことが多かったように思います。そのような環境の中でも研究に集中し、多くの経験ができたのは、他でもない安岡さん、研究員の方々、他のインターンシップ生のおかげです。

     北欧研究所では、委託業務を通してデンマークの経済、教育、福祉制度、サステナブルファッション、スタートアップ支援などについて調査し、単にデンマークに滞在しているだけではわからない情報をインプットすることができました。また、それをデンマーク滞在中に経験することで、デスクトップ調査と実地調査を効率よく効果的に行うことができたように思います。スタートアップ支援のイベントである「TechBBQ」の事前調査を行い、実際に現地に赴いてから執筆したレポートをオンラインプラットフォームで公開していただくことができたのは、私自身の自信に繋がりました。研究レポート作成では、読み手に分かりやすく書く力、効果的なインタビューの仕方、英語での情報収集能力を身に付けました。デンマークでのビジネスイベントへの参加、日本企業の視察アテンドなど多くの機会を惜しみなく与えてくださった環境により、個人では決してできなかった企業、関係者との繋がりを築きました。また、安岡さんをはじめ研究員のサポートがあったからこそ、全くの門外漢である領域であっても調査・研究を進めることができました。

     委託業務に加えて、興味のある分野に関する個人研究にも取り組みました。研究のテーマであった「デンマークでの男女平等意識」を調査するために日々の気づきを大切にしながら現地調査に努めました。悩んだり行き詰まったりした時には真摯に向き合って相談に乗ってくださった研究員の方々のおかげで、オールボー大学の教授をはじめとする有識者へのインタビュー、関係機関への視察を行い、帰国までに論文を書き上げることができました。

     また、過去のインターンシップ生との縦のつながりを築くことができたことも、大きな精神的な支えとなりました。元インターンシップ生との繋がりは今でも続いていて、私にとって大切なメンターです。

     私がこの一年間で北欧研究所から学んだこと、経験できたことは数えきれないほどあります。何かあれば相談でき、丁寧なアドバイスをいただけるという安心感から、研究や委託業務に果敢に挑戦できました。本当にお世話になりました。いつかデンマークに戻ってきたら、成長した姿を見せられるようこれからも精進していきます。ありがとうございました。

  • トヨタ・コニック・アルファの視察を支援しました

    トヨタ・コニック・アルファの視察を支援しました

    トヨタ・コニック・アルファ様の視察で、デンマークの電子IDの普及、地域共創、産官学連携、イノベーションの取り組みについての現地調査の支援をしました。

    地域共創の場として知られるバーネゴーデン(BaneGaarden)、産官学の連携を行う地区であるレフスへーレウーエン(Refshaleøen)、電子化を推進するデジタル・ハブ・デンマーク(Digital Hub Denmark)への訪問等をサポートしました。さらに、社会データを活用した社会課題解決のためのエコシステムを構築している取り組みと産官学連携の実態を調査するため、コペンハーゲン大学の大学院プログラム訪問もアレンジしました。今後も、北欧研究所では日本企業に向けて電子政府やエコビレッジ、サステイナビリティー、産官学連携についての調査、視察を支援していきます。

    デジタルハブデンマークの中の様子
  • インターン体験記:水口隼希

    インターン体験記:水口隼希

    はじめに

    2019年の9月から3月のコロナウイルスによる突然の帰国までおよそ半年間、北欧研究所にてお世話になりました。紹介してくださった北欧研究所の先輩、また素晴らしい環境を作ってくれたインターンの同僚に感謝をしたいです。また学生の身でありながら長期インターン生としてデンマークにおけるインターンシップという、極めて貴重な機会を設けてくださった代表の安岡美佳さんにはとても感謝しております。 (さらに…)

  • インターン体験記:高倉遥輝

    インターン体験記:高倉遥輝

    私は、通っていた大学を休学し、北欧研究所で約5ヶ月間お世話になりました。休学をしてまでのデンマーク渡航は私にとって大きな決断でしたが周りの支えもあり、帰国した今、当時の決断を褒めてやりたいと思えます。この5ヶ月間を終えて、何度も自分と向き合い、周りの仲間に感化され、少しではありますが以前の自分より成長を感じています。本当に貴重な経験をありがとうございました。 (さらに…)

  • インターン体験記: 吉田沙世

    インターン体験記: 吉田沙世

    私は約1年間、北欧研究所でお世話になりました。留学を計画立てていた頃から熱望していた、北欧研究所でのインターンシップでは掲げていた目標を上回るほど、多くの経験から学ばせていただきました。特に、私のインターンシップの経験はコロナウイルスによる制限もありましたが、支えてくださった安岡さんをはじめ、研究者の方々、インターンシップの仲間のおかげで、今後の人生軸を築けたものになりました。 (さらに…)

  • 執筆記事『北欧のエコビレッジ訪問記』のご紹介

    執筆記事『北欧のエコビレッジ訪問記』のご紹介

    オンラインマガジン、エネルギーフロントライン「エネフロ」に、弊社代表安岡が執筆した記事『北欧のエコビレッジ訪問記』が掲載されました。世界中から注目される『パーマトピア(Permatopia)』は、先端技術を駆使し、環境に配慮した生活を訴求する最先端社会。パーマトピアは、エコビレッジの特徴を持ちつつも、新しい未来の生活の可能性が見えてきます。技術は、人を幸せにできる!そんな一端がかいま見えるようです。北欧研究所では、技術を恐れるだけではなく、どう使えるのか、どう使うべきなのか、今後も模索していきたいと思っています。

    (さらに…)

  • 2020年新年のご挨拶

    2020年新年のご挨拶

    謹んで新春の祝詞を申し上げます。

    昨年は、格別なご高配を賜り厚く御礼申し上げます。2020年の新年を迎えました。皆様、どのように新しい年を迎えられているでしょうか。

    北欧研究所では、日本・北欧の両側からの大きな関心を受け、2019年も活発な研究・調査の一年となりました。企業とのコラボレーションや依頼のみではなく、地方自治体を始めとした公共機関とのコラボレーションが多く執り行われたのも2019年の特徴と言えます。人を幸せにするテクノロジなど、社会性の高い課題に関する関心が、産業界、公共機関から北欧に向けられていることがわかります。取り扱ったトピックとしては、SDGs、持続可能性、エコビレッジ、スマートシティ、電子政府、イノベーション教育ヘルスケアITリビングラボなど多分野に渡りますが、北欧への関心に共通性も見出すことができます。それは、多くのコラボレーションや依頼は、社会がより幸せになるための方法論を模索しているがため、北欧に辿り着き、北欧研究所にアクセスしてきているという点です。

    現在の社会課題に対し、より多様性に配慮した解決策を導き出すためには、多様な立場の人の知見や参加が不可欠です。それは、北欧社会の基盤に根付く民主主義や、北欧が得意とする参加型やリビングラボといった方法論から、私たちは学ぶことができるかもしれません。北欧の社会を見ていると、その賢い仕組み作りに驚かされます。社会は、一朝一夕で作り出せるものではなく、長期的なビジョンと、ビジョンを達成するだけの人材を育成するための教育と皆が平等で暮らすことのできる仕組みづくり(民主主義)が不可欠だからです。

    私たちは、何を北欧から学び、何を共に考え、より良い社会づくりに貢献していくことができるのでしょうか。北欧研究所は、北欧に拠点を置く調査機関として、今後も、両国の発展とさらなるより良い関係の構築を目指していきます。本HPだけではなく、フェイスブックリンクドインインスタグラムNoteなどで発信を続けていきます。

    最後に、北欧に関連した皆様の業務・ビジネスのさらなる充実と飛躍を祈念し、新年のご挨拶とさせていただきます。

    本年もどうぞよろしくお願いします。

    北欧研究所 一同

  • 「ハピネステクノロジ」の連載開始

    「ハピネステクノロジ」の連載開始

    noteのマガジンにて「ハピネステクノロジ」の連載を始めました。
    ぜひ、ご覧ください。


    デンマークは、先端技術が次々と生まれる国というわけではないものの、国内外の先端技術をうまく活用した生活を良くする工夫が次々と生まれる、人を幸せにする技術の国だと考えられます。

    北欧に拠点を置く北欧研究所は、「我々の幸せを向上するためにICTは何ができるか?」を追求しています。本連載では、デンマークをはじめとした北欧で花ひらく「人を幸せにするテクノロジー」をハピネステクノロジーと呼び、事例を紹介させていただこうと思います。新しい技術が生活に受け入れられるには、単に技術的進展ばかりでなく、ビジネス上の妥当性や使い勝手の良さが不可欠になります。テクノロジーが人々の生活に恩恵をもたらす北欧の事例を見ることによって、人とテクノロジーの関係性について何かしら学べる点があるのではないか、それを解き明かしていきたいと考えています。

    なお、1-5までは、2019年にオンライン雑誌に掲載されたものの、雑誌のクローズが決まったために、加筆・修正を加え、本noteに再掲載することにしたものである。

  • コペンハーゲンの新環状線の開通に関する記事が掲載されました

    コペンハーゲンの新環状線の開通に関する記事が掲載されました

    オンラインマガジンJapan In Depthに弊社シニアコンサルタント白石が執筆した記事が掲載されました。「コペンハーゲン、世界初CO2フリー目指す」 と題された本記事は、9月末に開通した地下鉄環状線を特集したものです。
    (さらに…)

  • 「A Year in Venø」再販のお知らせ

    「A Year in Venø」再販のお知らせ

    去年、北欧研究所安岡が執筆したエッセイ「A Year in Venø」をAmazonにて発売しておりましたが、技術的な問題が見つかり販売を一時停止しておりました。

    スタッフ一同、どのような方法が読んでいただく皆様に適切かを考え、新たにnote.muでマガジン販売を行ことにいたしました。
    Amazonでご購入いただいた皆様につきましては、直接お詫びをさせていただきたく、タイトルと購入時期を明記の上、ご連絡いただければ幸いです。

    現在プロローグから徐々にマガジン内にアップしております。ヴェヌー島の暮らしを是非お楽しみください。


    【内容紹介】
    ヴェヌー島は橋のかかってない島の一つで、陸からはフェリーに乗らなくてはなりません。 そんなちょっと不便な場だからこそ、昔ながらのデンマークが残っていて、毎日の生活の中で垣間見られたりします。時間がゆっくり流れ、日々の生活を一つひとつ大切に過ごす人たちがいる島。

    そのような自然に囲まれ昔ながらの生活を大切にしていると同時に、ヴェヌー島の人たちは、先端技術を上手に利用しながら自然に触れる生活をしています。季節の変化に繊細に対応し、春の訪れや秋の実りに感謝しながら生活をする人達であると同時に風力発電を導入したり、ITを導入した先端農業を実践したり、うまく技術を生活を豊かにするために自然と共存するために使っているのです。

    そこでは、技術と生活のバランスを模索し続け、生活をより豊かに過ごす工夫が、毎日の生活の端々に見られます。そんな豊かな生活の一端を、デンマークの文化とともに皆さんと共有したいと思います。

  • インターン体験記: 笹尾知世

    インターン体験記: 笹尾知世

    昨年12月末から3月末までインターン生として北欧研究所で活動していました、徳島大学助教の笹尾知世です。徳島大学では、昨年4月に地域の内外から社会共創を目指す「こまつしまリビングラボ」をスタートし、私はこのプロジェクトの立ち上げから企画・運営に携わってきました。3ヶ月間北欧研究所に在籍する中で北欧における様々な社会イノベーションの現場を見たり話を聞くことができ、ここで得た知見や人との繋がりを徳島で活かしたいと考えています。

    デンマークに来て驚いたことの一つは、社会の中に良質な子供達を育む場がたくさん用意されていたことです。例えば多くの美術館やギャラリーでは、展示中の作品のコンセプトが伝わるよう秀逸に設計された工作プログラムが毎日のように開催されていました。また建築センターやデザインセンター、その他様々なオフィスの入る複合施設BLOX(写真)では、建物の一部が子供のための遊び場として機能しています。社会全体で幸福な子育て環境の創出が目指されているように感じ、こうした取り組みを徳島でも実現したいと思いました。

  • インターン体験記:堀内美佑

    インターン体験記:堀内美佑

    コペンハーゲンに留学中の5ヶ月間、インターン生として活動していました。今回が自分にとって初めてのインターンシップで、業務がこなせるかどうか不安もありましたが、自分ができることから任せていただけたので、スムーズに仕事に取り掛かることができました。

    北欧研究所では、純粋に楽しんで仕事をすることができたと思います。普段生活しているだけではわからない、新しい領域について、ビジネスを通じて知見を得られるのはとても刺激的でした。また、毎週のミーティングでは、しっかりと進捗の報告をする一方で、フィードバックや提案を、研究員の方や他のインターン生のメンバーと良い雰囲気でお互いに出し合うことができました。メンバーとのコミュニケーションは、アウトプットの質の向上だけでなく、仕事の楽しさにも繋がっていたと思います。そして、自分で研究テーマを設定して調査を行う個人プロジェクトでは、「農業」という自分が興味のあるテーマについて深く掘り下げることができました。特に、調査にあたって実際の農家の方や農業学校関係者の方にインタビューを実施など、デンマークにいなければできないことを自由にやらせてもらえたのは良かったと思っています。また、インターンでは並行して進むプロジェクトが多く、学業・留学生活との両立もあり忙しい毎日でしたが、それによってタスク管理や自己管理の面でも成長することができたと感じています。

    インターンシップを通して様々な業界のクライアントの方と関わったり、Web制作やデータ分析、文章執筆などの様々な種類の仕事に触れたりすることで、自分が本当に得意なことは何か、やりたいと感じる仕事とは何かを考えるきっかけになりました。そして個人プロジェクトでは、調査の過程で文献に触れる機会が多かったため、自分の学業における専門性を高めるきっかけにもなりました。完全に自分のやりたいことが見つかったわけではありませんが、今後の日本での学生生活やキャリアの方向性をある程度見極めることができたのではないかと思っています。

  • インターン体験記:今村真梨香

    インターン体験記:今村真梨香

    私は2018年の9月から2019年の1月まで、約5ヶ月間北欧研究所のインターンとして活動しました。北欧研究所では大きく3つの業務を担当し、主に外部から委託されたコンサル業務として「デンマークの労働事情」「北欧のスマートシティ」、また個人プロジェクトとして「デンマーク人女性の働き方」、そしてFacebook発信業務を担当させていただきました。インターンシップを行ったことは私の留学生活を充実させるものとなりました。

    まず仕事を進めるスタンスについては、自分起点で物事を進めることの大切さを学びました。北欧研究所では「自主性」が大切にされています。インターン生が任される委託業務は基本的に自分がやりたいと手をあげて決まります。私はデンマークの教育・労働事情に興味があり、自分の興味を発信することで、委託業務において日本の企業の方にデンマークの働き方をプレゼンテーションする貴重な機会をいただくことができました。仕事を進めるうえでも自分がどのように仕事を進めていきたいかは個人に任せられています。当初、私は限られた時間の中でどのようなアウトプットにするのか、自分が何を大切にして仕事を行うのか悩むこともありましたが、周囲のサポートのおかげで徐々に適応し、「私がどうしたいのか」ということを念頭におき、業務を遂行することができるようになっていきました。このように当事者意識をもって仕事を行えることは大切であり、従業員の自発性が重んじられているデンマークの働き方にも通ずるものがあると感じています。積極的に関与をすれば、様々な挑戦を受け入れてくれる環境が北欧研究所にはありました。

    インターンの活動の中で、特に委託業務・個人研究において「デンマークの働き方」について理解を深め、アウトプットとしてホワイトペーパー(調査報告書)を出版できたことが1番の収穫だと思っています。英語の先行文献調査だけではなく、働くデンマーク人の母親にインタビューを実施したり、企業訪問を行ったりすることで、事前の情報収集では見えてこなかった働き方の実情を理解することができました。調査を通じて、デンマークにおける働く仕組みが作られた背景や人々の関与の仕方等、幅広い観点からデンマークの労働事情を探究することができました。

    最後に私が楽しく、充実したインターン生活を送ることができたのは、北欧研究所に関わる人々に恵まれたことだと思っています。代表の安岡さんをはじめ、スタッフの方々、また同期のインターン生はそれぞれ異なる興味・個性を持っており、週に1度の会議では多くの刺激をいただいていました。一緒に働くことができたことを嬉しく思っています。本当にありがとうございました。

  • 新年のご挨拶

    新年のご挨拶

    謹んで新春の祝詞を申し上げます。

    昨年は、格別なご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

    皆様におかれましては、どのような新年を迎えられているでしょうか。

    私は、毎年の恒例となったデンマークでのクリスマス休暇を過ごし、その後は吹雪の中のスキーと暖かい部屋の中での積んでおかれていた書籍の読書三昧の日々で年越しをしました。デジタルデトックスが北欧では注目されてきていますが、ネットの接続がない自然の中に入り込み数日過ごすことの効力を感じた数日でした。

    2018年を簡単に振り返りますと、5月にEUで施行されたGDPR(EU一般データ保護規則)やEU-EPAの進展など、現在の不安定な世界政治情勢への対処・巨大IT産業への反発を試みるEUの動き、呼応する日本への期待が注目される年でした。2018年末には、NECによるデンマークの大手SIer、KMD買収のビックニュースが飛び込んできました。皆様もすでにニュースなどでご存知かもしれませんが、デンマーク国内でも大きく報道されました。買収という形ではありますが日本企業であるNECに非常に好意的なコメントが多くみられています。

    相変わらず日本と北欧の関係は良好で、その前向きな影響は北欧研究所でも大きく見られています。北欧研究所では、日本・北欧の両側から大きく関心を受け、2018年も活発な研究・調査の一年となりました。未来創造の『戦略デザイン分野』では、北欧のデザインシンキング、参加型デザインやリビングラボの手法をベースにしたプロジェクトを実施しています。日本のIT企業との共同研究として家族のコミュニケーションを支援するITシステムの研究、デンマークのフィンテック企業との新しいプラットフォームのサービスディスカバリー・プロダクトデザイン、社会課題の新しい解決方法として「リビングラボ」研究を進めています。戦略デザインの各プロジェクトは、2019年も継続していきます。『北欧調査分野』では、政治・経済・社会・芸術・技術分野など多岐にわたりサービスを提供いたしました。多様性・多様な働き方、フィンテック, 循環型経済, 地域暖房, スマートシティ, 電子政府の依頼や委託調査など、日本社会の現状を大きく反映し、また小国デンマークの特徴的な点がクローズアップされた年でもありました。『北欧起業・ビジネス支援』では、技術機械分野・日本食分野における日本企業のデンマーク進出支援、法人登記や現地での取引支援など、北欧諸国へのビジネス展開支援を行いました。

    いま、世界が揺れているのと同様に、北欧も揺れています。移民排斥、富の不均等、…。「幸せな国」にも課題は多々あり、皆がいつも笑顔でいるわけではありません。しかしながら、北欧には、事実を直視し、議論を続け、最善策の提案を行う勇気を持つ人たちがいます。そして、各所をまきこみ個人個人が自分ごととして考える北欧諸国は、どの国よりも半歩先に解決へと向かっているように思えます。諦めずに最善の策を粘り強く探し続ける、いままで誰も描いてなかった未来を創っていくことを厭わない尖ったイノベーションの宝庫です。北欧諸国の課題解決策や、新しいイノベーション芽を育つ環境創りは、日本にも応用できると考えています。2019年は、そんなイノベーションの方策を数多く報告すると同時に、皆様と一緒に新しくイノベーションを創り出していきたいと考えています。

    今後も、北欧研究所は新陳代謝を重ね、新しい知見とを吸収しつつ、今まで以上に多種多様な視点からの北欧情報提供や調査、未来創造を進めていく所存です。 日本からは、北欧は幸せな社会という評価を得ています。私は、14年の北欧生活を経て、本当に幸せに満ち溢れた社会というのは、コミュニティの住人が模索し努力を重ねた結果初めて勝ち取れるのものであり、継続して努力し続けることで維持できるものだと考えるようになりました。私たち北欧研究所は、そんな北欧の試行錯誤から学べることを伝達すること、日本がよりよい幸せな国となるように、日本流の「幸せのかたち」を模索できるような幸せへのヒントを提供していくこと、そして何よりも皆様と一緒に新しい社会づくり、未来創造を積極的に進めていきたいと思っています。 

    2019年も、北欧研究所(japanordic)に変わらぬご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

    北欧研究所代表 安岡美佳

  • インターン体験記:中西萌

    インターン体験記:中西萌

    北欧研究所でのインターンは、たった1ヶ月という短い間でしたが本当にお世話になりました。ここで、インスタグラムの更新と、個人研究をさせて頂きました。

    私はデンマークに来た当初から欧州にいる難民に強い興味を持ち、幸福だと言われるデンマークでの彼らの実態について長い間知りたいと思っていました。しかし、その方法が分からずずっと苦戦していました。留学最後の時期になり、友人から北欧研究所にてインターンを出来るという話を聞きました。そこで個人研究として実際の難民支援現場にアポイントメントを取ってインタビュー調査をさせて頂きました。個人研究を通して、長い間気になっていたデンマーク難民、移民政策の近年の動向による影響を調査し、解明でき楽しかったです。特に難民者へのインタビューを通して日本では聞けないこの実際の声を知る事が出来ました。もうデンマークでやり残したことはありません。
    この1ヶ月の短いインターンでしたが、多くの事を学びました。企画書やアポイントメントのメールの作成方法、初めての英語でのインタビューの仕方、シンクタンクについて等、私にとって今後の人生で為になる事ばかりでした。何度も、もっと早くに北欧研究所の事を知って、長い期間インターンしたかったと思いました。
    たった1ヶ月でしたが、私をインターン生として受け入れて下さり本当にありがとうございました。ここで学んだこの経験は、日本に帰国しても役立てます。

  • インターン体験記:三木拓弥

    インターン体験記:三木拓弥

    2017年10月から2018年6月まで約9か月間、インターン生として北欧研究所の活動に参加しました。コペンハーゲン大学で留学生活を送っていく上で、普通に暮らしていては得られない知見や経験を得たいと思いエントリーしたのです。

    インターンシップでは主に委託業務と、WEBページの更新やSNSの運営を担当しました。委託業務では、デンマークにある企業情報の更新、デンマークの政治や年金制度の情報のアップデート等に取り組んできました。決して楽な仕事ではありませんでしたが、やりがいのある仕事をさせて頂きました。

    委託業務への取り組み方が甘くなってしまったり、なかなか進捗を出せずに悩むことも多々ありましたが、代表や他のメンバーの方からの咤激励を活力に取り組んできました。

    また、インターンを始めてからずっと、Facebookでのデンマークのニュースの投稿を担当してきました。そのおかげで、デンマークについてかなり詳しくなれたと感じています。投稿内容、時間帯など工夫しながら試行錯誤を重ねてやってきました。体調不良等でミーティングに参加できない時期も欠かさず投稿を続けてきたので、最低限の責任は果たせたと感じています。

    このように基本的には自分の担当の仕事や、委託された仕事をこなしてきましたが、自分から提案して始めたこともありました。

    北欧研究所のInstagramのアカウントを開設したのです。開設当初は自分から提案したものの何をしていいかわからず停滞していましたが、新しく加入したインターン生と協力し運営をしていきました。まだ思い切って提案してみて良かったと思います。

    北欧研究所のインターンを通じて、社会に出る前に普段の学生生活では得られない貴重な経験を積み、成長することができました。この経験が今後、社会に出て働いていく上で役に立つことは間違いありません。

    また直接的には業務と関係ありませんが、インターンがきっかけで、個人ブログを開設したり、日本の祭りのボランティアをしたり、日本料理屋でアルバイトをすることになるなど様々な機会を頂き、充実した留学生活を送ることができました。

    お世話になった北欧研究所の皆さん、クライアントの皆様、本当にありがとうございました。

     

  • インターン体験記:熊谷佐和子

    インターン体験記:熊谷佐和子

    <インターンを終えて:熊谷佐和子>

    2018年5月28日

    熊谷佐和子

     

    私は2017年の9月から2018年の6月まで、約8か月間北欧研究所のインターンとして活動させていただきました。北欧研究所では、主に外部から委託されたコンサル業務、個人プロジェクトとして東北地方の東日本大震災復興プロジェクト、個人研究としてのデンマークにおけるジェンダーギャップの調査、北欧研究所のメールマガジンの配信の4つを担当させていただきました。

     

    私にとって今回が初めてのインターン経験ということもあり、最初は戸惑いの連続でした。レポートの書き方やフォーマットの揃え方など、基本的な知識やスキルのなさにも落胆しましたが、いちばん苦悩したのはインターンに臨む姿勢でした。北欧研究所ではメンバーで共同で作業することよりも、割り振られたタスクや自分の興味分野の調査を個人で進めることのほうが多く、週に1回のミーティングで他のメンバーの方に助言をいただくことはできるのですが、そもそも自分がどういうことに興味があるのか、どういう方向性で研究を進めていきたいのか、どういう方法でそれは達成できるのかなど、インターンで求められることは全て「自分」の意向に委ねられていて、それが私にとってはとても難しく、悩みの種でした。それまでの自分を振り返ってみると、確かに日本では大学での授業でも、アルバイトでも、人から与えられた課題や仕事をどうこなすかという視点が行動の中心になっていて、実際に与えられたことをきちんとこなしていれば評価してもらえていたので、自分の頭で「考える」ということを放棄していたなと深く反省しました。インターンを8か月経験した今では、どんな提案をしても「面白そうだね」「やってみなよ」と言っていただける、自由度が高く、年功序列関係なく対等に扱っていただける研究所の環境はとても有難いと思えるのですが、インターンを始めた当初はそのような恵まれた環境を全く活かせていない状態が続いていました。

     

    そんな状況の中、私のインターン活動の転機が11月頃に訪れました。研究所の代表に「もっと自分が興味のあることを自分から提案して、実行してほしい」というお話をされた時に「岩手県盛岡市出身という立場から、デンマークの人にという東北地方の復興状況を伝えるイベントを企画したいです」と初めて自分からやりたいことを発信したのです。すると他のメンバーの方も賛同してくだって、色々な実現方法を一緒に模索していただいたり、日本人のお知り合いの方を紹介していただいたりして、皆さんのご協力のもと、初めて自分が中心となってプロジェクトを成し遂げることができました。また、もう一つの個人活動として、ジェンダーギャップについてインタビュー調査もすることができました。日本にいた時からなぜデンマークは男女平等なのかに興味があったので、デンマーク留学の目標の一つを叶えることもでき、インターンをさせていただいたことでデンマークでの留学生活をより有意義に出来たと思っています。さらに、インターンと並行してアウトプットの練習として書いていたブログも、デンマークでの一つ一つの体験について、きちんと考えて文章化するという習慣づけになり、留学生活にいい影響を与えてくれました。ほかにも、デンマークについてより深く知れた、将来のキャリアプランの展望が見えた、コンサル業務について知見を得られたなど、インターンを通じて得たものは数えきれないほどあり、続けてきて本当に良かったと感じています。

     

    最後になりましたが、お世話になった代表をはじめとする研究所のほかのメンバーの方々はそれぞれの専門分野に精通していたり、海外で様々な経験をされていたりする方が多く、お会いする度に刺激をもらっていました。この場を借りてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

     

  • インターン体験記:山田郁大

    インターン体験記:山田郁大

    私は約3か月間北欧研究所でインターンをさせていただきました。非常に短い間でしたが、そこで得られた経験は僕の人生にとってかけがえのないものになったと2つの点で感じています。

     

    1つ目は、インターンを通して「自主性」を磨くことができました。北欧研究所では週1回のミーティングで業務の割り振りや進捗報告を行い、後は各プロジェクトチームや個人での作業になります。そこで求められるのは、ただ指示通りに動くのではなく、業務の内容に沿いながらも、いかにして最高のパフォーマンスを発揮するかを考え、自分から発信していくことだと感じました。そこで私はデンマークに関する報告書を作成した際、デンマークの産業や近年の政策についての傾向を分析し、「この情報を加えた方が良いのではないか」、「こうすると見やすくなるのではないか」、という部分を自身で発信していくよう心掛けました。また個人プロジェクトでは、「デンマークの就労支援」というテーマを掲げ、レポート作成やインタビューの際にアドバイスをいただきながら、僕の考えを尊重していただきました。そのおかげで、デンマークという異国の世界で自分でインタビューを予約し、「これを引き出したら面白いのではないか」と考えながら行動する力が成長したと思います。デンマークでこのような経験をできたおかげで、日本に帰ったらあまり怖いものがないように感じております。自主性を引き延ばしながら、有意義なアドバイスを受けられる環境は非常に恵まれていたなと感謝しています。

     

    2つ目は「やり抜く力」です。デンマーク事情を執筆し、毎回ミーティングで進捗報告をした際には「この内容で本当に大丈夫だろうか」という不安がありました。しかし最後まで信頼してくださり、僕に担当を任せていただきました。そこで自分が納得できるまで情報を追い求めることができました。個人研究レポートでも、インタビュー対象者を自分の思うように獲得できなかったり、時間に焦ったりと悩んだ時期もありました。しかし、それでも「今自分にできることに集中しよう」と、メールの返信が来なかったインタビュー対象者のもとを片っ端から回っていくなど、自分でその状況を打開しようと行動することができました。そして以上のような経験から、最後までやり抜くということは、ただやり抜くだけではないということを感じました。「自分で何をしたいのか」「自分は何をできるのか」という自分の意志が伴って初めて「やり抜く力」というものに意義が出るものだと実感できた気がします。このように成長させていただける環境に出会えたことによって、これから困難な場面に遭遇した際にも、その壁を乗り越えられる気がします。

     

    最後に、私自身3か月経ち、業務のやり方に慣れてきたときに離れなければならず、もっと早くインターンさせていただいていたらと少し後悔しております。代表の安岡さんをはじめとする北欧研究所のメンバーと共に活動できたことを非常に幸せに思います。貴重なお時間をありがとうございました。この経験をこれからの人生でも忘れず、精進していきたいと思います。

  • デンマークの男女平等の秘密:オーフス・女性博物館へのインタビュー

    デンマークの男女平等の秘密:オーフス・女性博物館へのインタビュー

    <タイトル:デンマークの男女平等の秘密:オーフス・女性博物館へのインタビュー>

    熊谷佐和子
    2018年5月28日

    はじめに

     

    デンマークをはじめとする北欧諸国に対して、男女平等な社会というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。実際に私もそのようなイメージを持っており、デンマークがどのようにして男女平等を達成したのかに興味を持ったことがデンマークを留学先に選んだ理由の一つでもあります。デンマークの男女平等さを裏付けるデータの一つとして、OECDが発表している「雇用アウトルック2017」[1]では、男女の収入格差はOECD平均の39.0%に対して、デンマークは24.1%、日本は57.7%であり、日本と比較してかなり労働市場における男女格差が小さいことが読み取れます。
    統計的にはデンマークは国際的に見てもかなりジェンダーギャップの小さい国だとがわかりますが、実際デンマークで仕事や子育てをしている人々はどう感じているのでしょうか?それを明らかにするため、デンマーク在住の女性にインタビューをしてきました。

    インタビュー

     

    デンマーク第二の都市・オーフスにある女性博物館(Kvindemusset)には、デンマークにおけるジェンダーの歴史・実際に性転換をした人の声・来館者がジェンダーについて考えられるような体験設備があります。今回は同博物館の職員である、Julie Rokkjaer Birchさんにデンマークにおけるジェンダーギャップの現状についてインタビューしてきました。以下、インタビュアーの熊谷とJulieさんの会話形式で記します。(S:熊谷、J:Julieさん)

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  • 東北復興支援プロジェクトを通じて得たもの:熊谷佐和子

    東北復興支援プロジェクトを通じて得たもの:熊谷佐和子

    私は3月にコペンハーゲン大学で、4月にコペンハーゲン桜祭りで東日本大震災の被災地の現状について、岩手県盛岡市出身という立場からプレゼンテーションをさせていただきました。

     

    イベントを開催するにあたって、資金集めや会場探しなど、文字通り一からのスタートでした。イベントを自分で企画・運営するということが私にとって初めての経験だったので、本当に右も左も分からない状態で、初めの頃はイベント運営に協力していただいていた研究所の他のメンバーが提案してくださったアイデアに頼ることが多く、主体的に案を出して動く、ということがなかなか出来ずに苦労しましたが、次第に自分がどうしたいか、という軸でイベントに向き合えるようになりました。

     

    プレゼンテーションの内容に関しても苦心しました。私自身東北出身ではあるのですが、私が住んでいたのは内陸部だったので同じ岩手県内でも沿岸部で津波を経験した人に比べれば受けた被害は非常に小さく、「東北出身だけど被災者ではない」という立場からどんなアプローチで情報発信するべきかということ、日本国内よりも国外でのほうが福島の原発事故に対してネガティブなイメージが未だに根強く残っていること、震災経験者のお涙頂戴的な、感動物語として受け取られないためにはどうしたらよいかということ、そもそもデンマークに在住している人がこのトピックに対して興味を持ってくれるのかということ、などの色々な課題に対処しながらイベント内容を思案しました。

     

    イベント当日は、上述したような不安をよそに、コペンハーゲン大学・桜祭り共に多くの人が集まり、真剣に私の話に耳を傾けてくれ、中にはプレゼンが終わった後に個別に感想を伝えてくださったり、質問しに来てくださったりする方もいて、たくさんのフィードバックをいただくことができました。「被災地の現状を知れてよかった」「東北へどう関わっていくべきかがわかった」などのあたたかい声を寄せていただいた一方で、特に福島に関するこれまでの負のイメージを覆すのはやはり難しいな、ということも実感しました。風評被害などを含めて、震災から7年が経過した今でも復興はまだまだ達成されていないことを痛感したので、このプロジェクトは終わってしまいましたが、これからも復興の状況についてアンテナを張り、東北について発信することは続けていきたいなと思いますし、東北出身者としてそうしていく責任があると考えています。

    (3月15日、コペンハーゲン大学でのイベントの様子)

     

    イベントの本来の開催目的からは少し外れますが、イベントの企画していく中で研究所のメンバーにサポートしていただきながらデンマーク在住のの日本人の方と知り合えたのも大きな収穫でした。日本から遠く離れたデンマークという国で、日本人の方が様々な形で暮らしているというのを知れたことは、ちょうど自分自身の将来について考えていた時期とも重なっていたので私にとって非常に有意義でした。図らずも期待以上の成果がこのプロジェクトを通じて得られ、よかったと思っています。

     

    「被災地のために何かできないか」というのは日本にいた頃からずっと考えていたことだったので、今回このような形で、そしてデンマークという地でアウトプットさせていただくという貴重な機会をいただけて本当に感謝しています。最後になりましたが、当イベントに関わってくださった全ての方に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。