投稿者: japanordic

  • 「デンマーク人女性の働き方」レポート公開

    「デンマーク人女性の働き方」レポート公開

    2019年3月29日、北欧研究所によるホワイトペーパー「10:デンマーク人女性がどのように自分らしい働き方を実現することができるのか」の販売をnoteにて開始いたしました。

    note開設・公開記念。2019年4月5日まで100円で、閲覧可能です。この機会に是非ご覧ください。

    [内容紹介]

    デンマークは、女性の労働参加率は約70%と男性同様高く、働く母親の割合は82%となっている。またOECD(経済協力開発機構)の調査でワークライフバランスが2位となる等、女性が子育てをしながら働きやすい国として知られている。しかし、実際にデンマーク人女性の声を取り上げた研究は少なく、彼女たちが実際の働きやすさについてどのように感じているのかはわからない。本研究ではデンマークの大企業に勤める5人の働く母親へのインタビューを通じて、「デンマークで働く母親はどのようなワークスタイルを実現しているのか」について調査をする。特にフレキシブルワーク、個人の自律的キャリア形成とデンマーク社会の関係性に着目し、分析することで働きやすさを生み出しているデンマーク社会の特徴を導き出す。この調査結果は現在女性活躍を推進している日本の大企業が、今後どのように多様な働き方を受容し、女性の働きやすさを支援できるのかについて示唆を与えるものとして位置付けられる。

    本ホワイトペーパーは、こちらから入手いただけます。是非ご一読ください。

    [themify_button size=”large” link=”https://note.mu/japanordic/n/n6cc7fb86298e” target=”_blank” color=”#41CAB3″ text=”#ffffff”]ホワイトペーパーを入手[/themify_button]

  • 「デンマークの教員養成方法」レポート公開

    「デンマークの教員養成方法」レポート公開

    2019年3月29日、北欧研究所によるホワイトペーパー「09:ファシリテーターとしての教員を養成するデンマークの教員養成方法ver1」の販売をnoteにて開始いたしました。
    note開設・公開記念。2019年4月5日まで100円で、閲覧可能です。この機会に是非ご覧ください。

    [内容紹介]
    日本では2020年に教育改革が行われる。2020年の教育改革では、今までの知識や技能の習得から、学んだことを自分で「考え」、「表現し」、「判断していくこと」が求められる教育になる。一方通行だった授業は、グループワークや調査学習などを通して、生徒自身が主体的に参加する授業や学習へ変化し、そのため教員には新しくファシリテーターとしての役割が求められる。しかし、教員の卵である現在の学生は旧来型の教育を受けてきており、新しい学びの方法を体感していない。経験のない者にどのように教育方法を習得させ提供させるのか。本稿はファシリテーターとしての教員養成を実施するデンマークのオレロップフリーレアスコーレの教員養成方法について報告し、「教える側である指導者をどのように育成していくべきか」への示唆を与えるものである。

    本ホワイトペーパーは、こちらから入手いただけます。是非ご一読ください。

    [themify_button size=”large” link=”https://note.mu/japanordic/n/nadf0a0e3d0c1″ target=”_blank” color=”#41CAB3″ text=”#ffffff”]ホワイトペーパーを入手[/themify_button]

  • 北欧発Happiness Technology: Sumondo

    Huaweiのオンラインメディア、HuaWaveに「【北欧発Happiness Technology】うつになってからじゃ遅いから――ストレス対策アプリSumondo」を寄稿しました。北欧は、既存の技術をうまく社会に組み込み、人々の生活に身近なところでテクノロジが多く活用されています。その一端をお届けします。

  • お詫びとご案内

    本日、Amazon発行の北欧研究所ホワイトペーパに関し、技術的な問題が見つかり販売を一時停止いたしました。皆様には多大なご迷惑をおかけしたことお詫び申し上げます。

    2018年5月より開始しておりました各種ホワイトペーパおよび「A Year in Venoe」をAmazonで購入いただいた皆様につきましては、直接お詫びをさせていただきたく、タイトルと購入時期を明記の上、info@japanordic.comまでご連絡いただければ幸いです。
    また、有料レポートの閲覧をご希望の皆様におかれましては、別途デジタル版を送付させていただきますので、同じくinfo@japanordic.comまでお問い合わせください。

    長期にわたり、皆様にご迷惑おかけしたことを改めてお詫びするとともに、今後、同じようなことが起こらないように、クオリティチェックを強化させていきたいと思います。

  • Washokuを欧州へ!

    Washokuを欧州へ!

    欧州で日本の上質な和牛が食べられるようになる日も近い…?

    日本から本物の和牛を届けたい。北欧研究所では、Washoku ApSのデンマークにおける拠点設立の支援を実施しました。

    Washoku ApSは、デンマークを拠点として、日本からの和牛の輸入、そして欧州域への和牛のディストリビューションを行うデンマーク企業です。本事業において、北欧研究所では、会社登記支援、弁護士の紹介、ライセンス取得支援などの起業支援、及びブランドアイデンティティの構築のお手伝いをしています。

  • 『価値創造の場』の調査支援

    Public Intelligenceのリビングラボ。シニアを支援するITシステムをデザインするために使われる価値創造の場である。

    内閣府の知的財産戦略本部が実施している「価値デザイン社会実現に資する実質的なオープンイノベーションの実施に関するタスクフォース」からの依頼を受け、デンマークの企業・価値創造の場、オープンイノベーションの調査支援を行いました。北欧研究所では、訪問先の選定から当日のサポートを実施しました。

    (さらに…)
  • 新年のご挨拶

    新年のご挨拶

    謹んで新春の祝詞を申し上げます。

    昨年は、格別なご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

    皆様におかれましては、どのような新年を迎えられているでしょうか。

    私は、毎年の恒例となったデンマークでのクリスマス休暇を過ごし、その後は吹雪の中のスキーと暖かい部屋の中での積んでおかれていた書籍の読書三昧の日々で年越しをしました。デジタルデトックスが北欧では注目されてきていますが、ネットの接続がない自然の中に入り込み数日過ごすことの効力を感じた数日でした。

    2018年を簡単に振り返りますと、5月にEUで施行されたGDPR(EU一般データ保護規則)やEU-EPAの進展など、現在の不安定な世界政治情勢への対処・巨大IT産業への反発を試みるEUの動き、呼応する日本への期待が注目される年でした。2018年末には、NECによるデンマークの大手SIer、KMD買収のビックニュースが飛び込んできました。皆様もすでにニュースなどでご存知かもしれませんが、デンマーク国内でも大きく報道されました。買収という形ではありますが日本企業であるNECに非常に好意的なコメントが多くみられています。

    相変わらず日本と北欧の関係は良好で、その前向きな影響は北欧研究所でも大きく見られています。北欧研究所では、日本・北欧の両側から大きく関心を受け、2018年も活発な研究・調査の一年となりました。未来創造の『戦略デザイン分野』では、北欧のデザインシンキング、参加型デザインやリビングラボの手法をベースにしたプロジェクトを実施しています。日本のIT企業との共同研究として家族のコミュニケーションを支援するITシステムの研究、デンマークのフィンテック企業との新しいプラットフォームのサービスディスカバリー・プロダクトデザイン、社会課題の新しい解決方法として「リビングラボ」研究を進めています。戦略デザインの各プロジェクトは、2019年も継続していきます。『北欧調査分野』では、政治・経済・社会・芸術・技術分野など多岐にわたりサービスを提供いたしました。多様性・多様な働き方、フィンテック, 循環型経済, 地域暖房, スマートシティ, 電子政府の依頼や委託調査など、日本社会の現状を大きく反映し、また小国デンマークの特徴的な点がクローズアップされた年でもありました。『北欧起業・ビジネス支援』では、技術機械分野・日本食分野における日本企業のデンマーク進出支援、法人登記や現地での取引支援など、北欧諸国へのビジネス展開支援を行いました。

    いま、世界が揺れているのと同様に、北欧も揺れています。移民排斥、富の不均等、…。「幸せな国」にも課題は多々あり、皆がいつも笑顔でいるわけではありません。しかしながら、北欧には、事実を直視し、議論を続け、最善策の提案を行う勇気を持つ人たちがいます。そして、各所をまきこみ個人個人が自分ごととして考える北欧諸国は、どの国よりも半歩先に解決へと向かっているように思えます。諦めずに最善の策を粘り強く探し続ける、いままで誰も描いてなかった未来を創っていくことを厭わない尖ったイノベーションの宝庫です。北欧諸国の課題解決策や、新しいイノベーション芽を育つ環境創りは、日本にも応用できると考えています。2019年は、そんなイノベーションの方策を数多く報告すると同時に、皆様と一緒に新しくイノベーションを創り出していきたいと考えています。

    今後も、北欧研究所は新陳代謝を重ね、新しい知見とを吸収しつつ、今まで以上に多種多様な視点からの北欧情報提供や調査、未来創造を進めていく所存です。 日本からは、北欧は幸せな社会という評価を得ています。私は、14年の北欧生活を経て、本当に幸せに満ち溢れた社会というのは、コミュニティの住人が模索し努力を重ねた結果初めて勝ち取れるのものであり、継続して努力し続けることで維持できるものだと考えるようになりました。私たち北欧研究所は、そんな北欧の試行錯誤から学べることを伝達すること、日本がよりよい幸せな国となるように、日本流の「幸せのかたち」を模索できるような幸せへのヒントを提供していくこと、そして何よりも皆様と一緒に新しい社会づくり、未来創造を積極的に進めていきたいと思っています。 

    2019年も、北欧研究所(japanordic)に変わらぬご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

    北欧研究所代表 安岡美佳

  • 参加型デザイン・リビングラボ

    参加型デザイン・リビングラボ

    北欧流デザインシンキング, イノベーションの場づくりのメソッドとして、北欧発のデザイン手法、参加型デザインリビングラボが現在注目されています。北欧はグローバルな各種イノベーション指数において小国ながら独自の強みを作り出しています。その背景には、国際社会における小国としての危機意識と同時に戦略的なイノベーションの場づくりが影響しています。社会・文化的背景に根付くイノベーションの手法をそのまま日本へ応用することは困難ですが、参考になる鍵や秘訣、コツがあることがわかってきています。

    参加型デザインの手法やリビングラボの仕組みを取り入れ、コミュニティや組織にイノベーションの文化を導入してみませんか?

  • 「デンマークの循環型経済」がAmazonで発売されました

    「デンマークの循環型経済」がAmazonで発売されました

    2018年7月22日、北欧研究所によるホワイトペーパー「デンマークの循環型経済-これからの経済モデル、変化するビジネス形態」の販売をアマゾンにて開始いたしました。

    循環型経済やサステイナビリティの先進国デンマークは、エネルギーの効率化、再生エネルギー、環境に関連するイノベーション等でEU内でも注目されています。その背景には首都コペンハーゲンの「2025年までに世界初のCO2ニュートラルな都市になる」という宣言、再生可能エネルギーのシェア拡大、循環型経済への政府の積極的な関与があります。本ホワイトペーパーでは、近年議論されている循環型経済について、そのメリット、そして循環型経済の事例を紹介します。

    本ホワイトペーパーは、こちらから入手いただけます。是非ご一読ください。

  • 「デンマークのフィンテック企業普及の背景」がAmazonで発売されました

    「デンマークのフィンテック企業普及の背景」がAmazonで発売されました

    2018年5月30日、ホワイトペーパー「デンマークのフィンテック企業普及の背景」の販売をアマゾンにて開始いたしました。

    デンマークでは、キャッシュレス決済システムが年々広まっています。デンマーク中央銀行のデータによると、デンマークの現金支払い率は約23%。ほかのEU加盟諸国よりも現金使用率がはるかに低いことがわかっています。この背景には、デンマーク国内のフィンテック企業の台頭があります。本ホワイトペーパーでは、2018年現在でフィンテック発展を支えるデンマーク企業、組織を一覧にまとめています。

    本ホワイトペーパーは、こちらから入手いただけます。是非ご一読ください。

  • 「デンマークの障がい者雇用」がAmazonで発売されました

    「デンマークの障がい者雇用」がAmazonで発売されました

    2018年3月18日「デンマークの障がい者雇用」の販売をアマゾンにて開始いたしました。

    高福祉国家である北欧・デンマークでは、企業に障がい者を雇用する義務や法定雇用率などは定められていません。しかしながら、法定雇用率を達成する為だけに企業内で障がい者に適した業務を探す、または障がい者のニーズに応じた設備や環境を整えるなどと言ったアプローチとは全く異なる「dis-ability」(障がい)を「special-ability」(特別な能力)と捉える新しいビジネス形態独自の動きが見られるなど、独自の方法で、障がい者雇用を促進する様相が見られます。本レポートでは、そのようなデンマークにおける障がい者雇用の現状をまとめています。

    本レポートについては、こちらから入手いただけます。是非ご一読ください。

  • 新年のご挨拶

    新年あけましておめでとうございます。

    皆様、良い新年を迎えられたでしょうか。
    2017年は、世界のいく先がより不透明に感じられる種々の出来事が相次いで起こり、北欧の小国も世界的な流れに翻弄されているように思われることが多々ありました。移民や難民の問題も解決の糸口が出ているとは言いがたく、民族間の対立もより深まってしまっているような印象も受けます。一方で、日本とデンマーク間を見ておりますと、また違った国際的な動きが見られたと言えます。2017年は、デンマークと日本の国交樹立150周年として、日本とデンマークを舞台に、外交・産業・芸術・学術のあらゆる分野で約70もの交流やイベントが実施され、デンマークにおける日本への関心もより高くなっているように感じられました。金唐革紙のワークショップや日本酒の紹介イベントを始め、いくつかのイベントには北欧研究所も関わり、微小ながら両国のより良い関係の構築に貢献することができたのではないかと感じています。
    北欧研究所は、引き続きデンマークの文化政策、ビジネスとアートの融合、フィンテックなど、興味深いイノベーションのタネに注目し、今まで以上に多種多様な点から北欧情報を調査分析し、日本と北欧のよりよい関係性に貢献していきたいと思っています。さらに、日本と欧州のEPAの締結が見込まれ日本への関心が高まっている現在、北欧の人達の日本への興味の種が育って行くように、文化・経済・政治の分野からサポートをしていく所存です。
    日本からは、北欧は幸せな社会という評価を得ています。2017年には、デンマークでよく使われる「ヒュッゲ」が世界的な注目を浴びました。私は、13年の北欧生活を経て、現在、本当に幸せに満ち溢れた社会というのは、コミュニティの住人が模索し努力を重ねた結果、初めて勝ち取れるのものであり、継続して努力し続けることで維持できるものだと考えるようになりました。私たち北欧研究所は、そんな北欧の試行錯誤から学べることを伝達すること、そして、日本がよりよい幸せな国となるように、日本流の「幸せのかたち」を模索できるような幸せへのヒントを提供していきたいと思っています。2018年が、多くの人が、幸せの形をそれぞれの社会がそれぞれなりに模索し始めた年と、のちの社会的で言われるようなそんな新たなきっかけになってほしいと切に願っています。
2018年も、北欧研究所(japanprdic)に変わらぬご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

    北欧研究所代表 安岡美佳(やすおか みか)

  • 金唐革紙調査支援とイベント通訳

    金唐革紙調査支援とイベント通訳

    北欧研究所は、デンマークコペンハーゲン市の修復士からの依頼を受け、日本における金唐革紙調査サポートを2016年秋、その後、日本の有識者を招聘しての金唐革紙の制作ワークショップのイベント立案、2017年9月18日から20日のイベント通訳を行いました。 (さらに…)

  • インターン体験記

    新しいインターン体験記がアップされました。6ヶ月在籍してくれていた小田楓さんのインターン体験記「インターンを終えて」を、どうぞご覧ください。特にインターン希望者の方には、北欧研究所でのインターンのイメージが湧く役に立つ体験記となると思います。

  • インターンを終えて

    インターンを終えて

    私は約半年間、北欧研究所でインターンとして活動させていただきました。

    短い期間ではありましたが、その中でも大変多くのことを学ばせていただきました。

    (さらに…)

  • 研究員募集

    北欧研究所では、現在、若干名の研究員(経済・政治系, 情報デザイン)を募集しています。2018年6月締め切りました。

    1. 経済・政治系

    応募資格;経済・政治分野、もしくは関連分野で修士号を取得(取得見込み)していること。デンマークでの労働許可を持っていること。

    勤務場所:北欧研究所;コペンハーゲン近郊
    職務内容:デンマークや北欧における経済・政治関連事項の調査、分析、レポート執筆
    労働時間:週に15時間程度
    雇用期間:3ヶ月の試用期間、後、単年度契約
    給与:月給制(学歴・職歴・言語能力によって月額を決定)
    応募書類:履歴書、志望動機をjob@japanordic.comに送付ください

    応募締切:適任者が決まり次第終了します。

    2 情報デザイン

    応募資格;情報デザイン系の知識を有していること。インデザイン、その他Adobe系のソフトを日常的に利用していること。デンマークでの労働許可を持っていること。
    勤務場所:北欧研究所;コペンハーゲン近郊
    職務内容: 北欧研究所の情報メディア戦略
    労働時間:週に7-15時間程度
    雇用期間:3ヶ月の試用期間、後、単年度契約
    給与:月給制(学歴・職歴・言語能力によって月額を決定)
    応募書類:履歴書、志望動機をjob@japanordic.comに送付ください

    応募締切:適任者が決まり次第終了します。

  • 5つのキーワードで知るデンマーク映画

    5つのキーワードで知るデンマーク映画

    2016年の日本におけるデンマーク映画の上映数は3本。他国との共同製作作品を合わても10本だ。しかもそのほとんどが単館系作品であり、マニアックな層をターゲットとしている。デンマークの映画なんて見たことないという日本人も多いだろう。しかし、実際は、奥深い歴史を持ち、同時に、今日のドキュメンタリー映画界に大きなイノベーションを起こし続けている。今回は、デンマーク映画を語るのに欠かせない5つのキーワードをもとに日本人にとってミステリアスなデンマーク映画の世界を紐解く。 (さらに…)

  • デンマークの文化政策から感じたこと

    デンマークの文化政策から感じたこと

    デンマークに住み始めて、文化、特に芸術面に関する事柄で日本と大きく違うと感じることが多々あった。例えば、多くのデンマーク人は特に芸術を専門にしていなくても芸術に対する知識が豊富で芸術に対する関心・意識がとても高い。また、美に対するこだわりも強いようで、例えば私の周りの友人の多くは普段の何気ない、自分のために作る昼食一つに対してもとても見栄えを気にする。一般のデンマーク人が描いたスケッチひとつにしても、日本人には思いつかないような発想や色使いで、どうしてこのような違いが生まれるのかだろうと疑問に思うことがあった。そのような中、デンマークの文化政策について調べるうちに、感じたことや気づいたこと、それらの答えの手がかりとなり得るものがいくつかある。

    まず、日本との大きな違いを感じたのは、デンマークの文化政策の根底に「文化活動に触れる機会はみなが平等に持つべきである」という概念が存在していることである。文化活動に触れる機会がみなに平等に与えられるように政策がデザインされている。例えば、デンマークでは芸術に関する主要教育機関の授業料が基本的に無料であり、入学に際しては試験を受けることが条件となっている。対して日本では、芸術専門の学校に行くとなれば普通科の学校に行くよりも多額の授業料が必要となる。この点、デンマークでは環境や境遇によらず、みなが等しく芸術活動に関わる機会が与えられていると言うことができる。さらに、デンマーク人は平均して個人が美術館や図書館といった文化施設に足を運ぶ回数が多く、ここからもいかに芸術に高い関心を持っているかがわかる。結果的に普段から芸術に携わる機会が多くなり、多くの知識を得ることができるのだと考える。しかしながら、”Compendium cultural policies and trends in Europe”によると、高所得者と低所得者の間には文化施設に足を運ぶ頻度にいまだ差があり、その差を埋めることができるような政策を取り入れることも今後の課題の一つとなりそうである。

    加えて、デンマークの文化政策にかかる予算は世界の中でもトップクラスのレベルで多い。それらは文化施設や重要文化財の修復費や芸術活動に関わる宣伝費、伝統芸術の保護費そして芸術活動やアーティストを支援する費用などに充てられている。デンマークでは1960年代に「アームスレングスの原理」というものが文化政策に用いられるようになったが、これは芸術に政府や政治家の干渉が及ばないようにするための決まりである。よって、デンマーク政府は予算を使って積極的にアーティストの育成や活動、さらに芸術を後世に継承していくことにも力を入れている。その例として、多くの人が訪れる美術館や博物館を重要文化施設に指定して、それらと私的スポンサーとの連携を深めることを支援している。その形態はさまざまだが、スポンサーに免税制度を適用してアーティストの活動を支援するように促すこと、公的財団を利用してアーティストに補償金を与えるなどがこれに当たる。日本の場合を考えてみると、まだまだ国全体で文化財を守っていくという意識が低いように思われる。そのため、日本政府が文化政策にかける予算はデンマークと比べてとても少ない。これはおそらく、日本人の考えの中には「文化財は国の遺産であり、国民が協力して守っていくべきである」という発想が浸透していないからであると思われる。これとは対照的に、デンマークでは政府が中心となって芸術への支援を行い、文化を継承していくための仕組みが確立されている印象を受けた。日本ではもしかしたら「芽を摘まれてしまうかもしれない」アーティストも、デンマークでは活躍できる可能性がより確保されていると言えるかもしれない。先で述べたデンマーク人と日本人の間の美的感覚の違いについても、世間の評価を気にすることよりも自分の美学を貫く姿勢が身についていることから生じるものかもしれないと思った。

    今回の調査は、デンマークと日本の文化について私が日常感じていたような小さな違いから国家の方針といったような大きな違いについて考える機会となったと同時に、デンマーク社会を更に知る良いきっかけとなった。

    (鵜飼麻未、北欧研究所インターン)

    参照:

    • Peter DUELUND, Bjarki VALTYSSON and Lærke BOHLBRO, “Compendium cultural policies and trends in Europe” ,2012
  • デンマークのスマートシティ

    北欧研究所が調査に一部協力した日本総合研究所のレポートが公開されました。「ユーザー・ドリブン・イノベーションによるスマートな街づくりに向けて-海外における「スマートシティ2.0」への取り組み-」と題して、調査部主任研究員の野村敦子さんが執筆されています。海外における取り組み事例としてデンマークのコペンハーゲン市の例がフィーチャーされており、デンマークでは市民が積極的に街づくりに参画していることが見て取れます。ぜひ、ご一読ください。

  • インターン生紹介

    新学期を迎え新しくインターン生が北欧研究所に参加しました。現在のインターン生は、5人、それぞれが見つけたテーマに沿って調査やレポート執筆を進めます。現在のテーマは、ワークライフバランス、文化政策、デンマークの民主主義などです。

  • 「コペンハーゲンのスーパーマーケットと商業施設」「デンマークに支社のある日本企業」ホワイトペーパー発行

    北欧研究所は、4月に新しく次のホワイトペーパを発行します。「コペンハーゲンのスーパーマーケットと商業施設」「デンマークに支社のある日本企業」。どうぞ手にとってご覧下さい。

    詳しくはこちら

  • ホワイトペーパー発行:2017年3月

    北欧研究所は、3月に新しく次のホワイトペーパを発行します。「デンマークの保育・教育」「デンマークトップ50企業」「デンマーク発祥ファッションブランドリスト」「デンマークのテレビ」「デンマークの主要新聞社」「デンマークのセクシュアルマイノリティに関する法制度」。

    詳しくはこちら

  • インターン体験記:小川桃子

    私は北欧研究所で約半年間、インターンシップとしてお世話になりました。

     

    デンマークに来るまでの北欧に対するイメージは、税金が高い、福祉国家、寒い地域などと抽象的なイメージでした。しかし、実際にデンマークで生活し、そして北欧研究所という場所で、様々な分野の調査をするにつれ、本当の北欧デンマークが垣間見えた様な気がします。 (さらに…)

  • デンマーク郵便事業の危機

    デンマークとスウェーデンの通信・運輸業を司っているPost Nord社は2016年の決算で15億クローネにも及ぶ赤字を報告し、政治家たちが2月22日に緊急会議を招集する事態になった。国有企業である同社は、所轄の大臣が社を代表することとなり、救済策を提示することが求められる。そのため、所轄する運輸・建設・住宅省のオーレ・ビアク・オーレセン大臣は、大きな課題を突き付けられている。 (さらに…)

  • 新年のご挨拶

    新年あけましておめでとうございます
    皆様、どのような新年を迎えられたでしょうか。私は、クリスマス休暇は、久しぶりにゆっくり読書をしましたが、中でも注目される北欧ミステリー「熊と踊れ」が心に残っています。ミステリーなのでネタバラシは避けたいと思いますが、核家族、移民問題など現代の北欧の社会状況や現代の課題を映し出しており、改めて現代社会が抱える多くの課題に直面させられました。現在の北欧を知るためにも、ぜひ一度手にとってご覧ください。色々な意味での衝撃があると思います。 (さらに…)

  • カーボンニュートラルな国へ:電気自動車の可能性

    カーボンニュートラルな国へ:電気自動車の可能性

    [クリーンな国デンマーク]

    北欧の国デンマークは、再生可能エネルギーの普及が進んでいることで有名だ。その中心を担っている風力発電は2015年には総電力消費量の42.1%を賄うまでに成長した(ENERGYNET.DK)。世界的にもクリーンな国として知られるデンマークだが、2012年政府はエネルギー供給の100%を2050年までに再生可能エネルギーで賄うという目標を掲げる長期エネルギー計画を発表した。この目標を実現するためには、再生可能エネルギーの普及といった今までのような政策だけでは難しい。鍵を握るのは電気自動車(EV)だ。

    (さらに…)

  • 障がい者雇用事例調査レポートスポンサー募集のご案内

    障がい者雇用事例調査レポートスポンサー募集のご案内

    高福祉国家である北欧・デンマークでは、企業に障がい者を雇用する義務や法定雇用率等は定められておりません。近年社会保障費削減の動きもあり、障がい者の就労を促すための政策は見られますが、 義務化には至っていないのが現状です。

    デンマークの実際の企業における障がい者雇用の動きをみると、日本とは少々様相が異なっています。特に興味深いのは、法定雇用率を達成する為だけに企業内で障がい者に適した業務を探す、または障がい者のニーズに応じた設備や環境を整えるなどと言ったアプローチとは全く異なる「dis-ability」(障がい)を「special-ability」(特別な能力)と捉える新しいビジネス形態が存在することがわかりました。

    本レポートは、そのようなデンマークでの障がい者雇用促進の為、一般企業とビジネス展開を行うソーシャルビジネス事例を調査し、報告書としてまとめています。調査は、収益を十分にあげ堅調な成長を見せるソーシャルビジネス企業が対象となっています。

    目次(現在の予定)

    • ソーシャルビジネス4件
    • 自閉症、アスペルガー症候群のIT分野での雇用(確定)
    • 自閉症、アスペルガー症候群のエンジニア分野での雇用
    • 視覚障害者のテレマーケティングでの雇用
    • 様々な障がい者のクリエイティブ分野での雇用と教育

    【スポンサー募集概要】

    本調査はスポンサー企業の皆様のご希望・ご要望に合わせて調査対象の選定・報告書の作成を行います。特定の障がい者雇用に関する関心項目などがある方は、是非スポンサーをご検討ください。また、作成された報告書の購入のみも可能です。

    北欧・デンマークでの障がい者雇用ビジネスモデルに関心のある企業の皆様、また研究者の皆様は是非ご連絡ください。各種お問い合わせは、下記担当までご連絡をお願いいたします。
    sofie@japanordic.com

  • ホワイトペーパ発行

    北欧研究所では、不定期ですが、各種レポート「ホワイトペーパ」を無料で発行する運びとなりました。レポートをダウンロードするにはメールマガジンへの登録(無料)が必要です。第一回目のレポートは、「日本と北欧諸国における国際指標の比較」「デンマークのフォルケホイスコーレ一覧」です。詳しくはこちら

  • デンマークの都市計画の紹介/古賀元也 大学教員・博士(工学)

     皆さん,初めまして。私は20164月から1年間,コペンハーゲン大学で客員研究員として都市計画の研究に取り組んでいます。このエッセーでは私のデンマーク生活,研究活動を通じて,デンマークの都市や建築について執筆したいと思います。あまり聞きなれない言葉かもしれませんが,都市計画とは子供から大人,お年寄り,健常者,障がい者といったすべての主体が都市空間の中で「住む」,「働く」,「休む(憩う,遊ぶ)」,「動く」の活動が安全に,快適にできるように計画,運営するものです。そのジャンルは都市の再開発,都市交通,景観デザイン,人口問題,地球環境問題,そして法律など幅広く,対象とするエリアは中心市街地から郊外,中山間地域まであります。 (さらに…)

  • インターン体験記:延原拓哉

    インターン体験記:延原拓哉

    北欧研究所でのインターンシップは、私のコペンハーゲンでの留学生活において、今まで知らなかったことにチャレンジする機会を与えてくれました。

    (さらに…)