カテゴリー: ESSAY

  • Møde通信Vol.5:デンマークといえば「デニッシュパン」?!

    Møde通信Vol.5:デンマークといえば「デニッシュパン」?!

    アソシエイトパートナーのArisaです。
    デンマークのBageri(パン屋さん)

    デンマークは、クリスマスと新年の賑やかさも落ち着きをみせ、日常が戻ってきました。日本でデンマークというと「デニッシュパン」を思い浮かべる方も多いはず。デンマーク人はパンが大好き。土日の朝食に、また平日であっても早朝からBageri(パン屋さん)に、焼きたてパンを買いに行く人も多いのです。Bageriの品揃えは日本とは少し違ったもの。少し紹介すると・・・

    日本で「デニッシュパン」として知られているこのパン。こちらでは実は「Winerbrød」(ウィーンパン)と呼ばれていて、デンマークのパンじゃないという扱いなのです。カスタードやチョコレートがトッピングされていて、バターたっぷりのサクサク生地はデンマークに来たら一度は試す価値あり!そして、デンマークでは毎日食べるライ麦パン(黒パン)「Rugbrød」も並んでいます。このパンは、ライ麦やひまわりの種やナッツ類、ごま等と「Surdej」というライ麦、小麦粉、水を混ぜて発酵させた酸っぱい香りのする酵母を混ぜて作られます。自分で焼くこともできるのですが、発酵から焼き上がりまで丸一日かかります。この「Rugbrød」は食物繊維を多く含んでいて、デンマーク人のお腹の友のようです。

    ケーキ屋さんも兼ねているパン屋さんが多いので、午後のコーヒーのお供となる、「Hinbærsnitter」(ラズベリージャムをクッキー生地でサンド。そこにグラス・ア・ローとカラフルなスプリンクルのトッピングがかかっています。)や、「Småkager」(クッキー)などが並んでいます。私が大好きなのが、パン屋さんで残った菓子パンを混ぜ合わせ、ラムエッセンスで香り付けしたあと、丸めてスプリンクルを掛けたお菓子、「Romkugler」です。毎日少しずつ味が違うことや、パン屋さんによって混ぜ合わせる材料が違うので私はパン屋さんに入ったら必ず買ってしまうのです。

    そんな、デンマークの日常に欠かせないパン屋さんですが、今回のデンマーク滞在で気になったのが、パン屋さんが少なくなっている気がすること・・・数年前の滞在では、「1地域に1パン屋」という感じがしていたのに、パン屋さんを以前より見かけなくなった気がする。調べてみると・・・・・・

    デンマークのパン屋さんの数は過去15年(2010年時。出典は文末をご参照ください。)で450件減少したそう。2010年時点では、デンマークで850件のパン屋さんがあるそうです。ここ数年の不況と、スーパーマーケットがパン屋さんを併設し始めたことが大きな要因のようです。パン屋さんが減ってしまうのは寂しいですね。「小腹がすいたらデニッシュパンを買いに♪」というのもできなくなってしまうのでしょうか。私のデニッシュパンの食べ過ぎはなくなるかもしれませんが・・・・・・。

    デンマークのパン屋さん、いかがでしたか?パンについて書いていたら、またパンが食べたくなってきました。やみつきですね。みなさんもデンマークにいらしたら是非、パン屋さんに立寄ってみてくださいね。では、また次回をお楽しみに!

     

  • Møde通信 Vol.4:デンマーク 編み物男子

    Møde通信 Vol.4:デンマーク 編み物男子

    vithard-2暖冬と言われていたのデンマークにも、冬らしさがやってきました。風が強いので体感温度が下がり、夏大好きな私にはこの太陽の見えない暗く寒い冬が一番辛い季節です。

    そんな日照時間の短い冬、家の中で楽しむ事が上手なデンマーク人。編み物をする人も多いのです。日本で編み物と聞くと女性が編むイメージが強いでしょう。デンマークでも女性が多いですが、男性の編み物愛好者や、編み物作家は日本より目にすることが多いです。 (さらに…)

  • Møde通信 Vol.3:デンマークのスーパーマーケット

    Møde通信 Vol.3:デンマークのスーパーマーケット

    最近デンマークのスーパーマーケットについて、調査をする機会が立て続けにあります。皆様は、デンマークのスーパーでは、どのようなお店をご存知でしょうか?Mode通信1に続いて、今回は第三回目です。

    irmaマスコットガールが人気のIrma、テリア犬がトレードマークの格安スーパーNettoなどはデンマークに住んでいる人達の日々の生活の場となっているばかりか、旅行者の方々にも注目されているようです。特にIrmaのトートバックやIrmaちゃんが印刷されている生活雑貨からチョコレートやキャンディなどの食品までの各種オリジナルブランドは、旅行客の手頃なお土産にもなっているようです。

    さて、そのデンマークのスーパー、調査をしていて幾つか興味深いと思われることがでてきたので、皆さんと共有したいと思います。

    デンマークのスーパー、種類としては、Irma、Nettoを始め21種ほどの店舗があるのですが、実は,3つの大きな大手小売りが市場の89%を占めているかなりの独占状態の市場なのです。海外組はわずか11%に過ぎません。その3つの大手小売りの一つは、Kvickly, Super Brugsen, Irma, Brugsen, Faktaなどを所有するFællesforeningen for Danmarks Brugsforeninger(FDB)、いわゆるCoop。2つ目は、Bilka, Føtex, Nettoを所有するDansk Supermarked。3つ目は、Super Bestなどを所有するDagrofaです。実は、KvickyはIrmaと姉妹だった、Føtex, Nettoも系列が同じ会社だって、面白いと思いませんか?品揃えも実は似たところがあるようですね。また、それだけの占有市場でもあるので、買い手市場でもあり、生産者側が売り込むのも大変なようです。

    もう一つ面白いのが、デンマークの小売価格は、欧州平均の10%高だということ。デンマークに生活したことのある人なら誰でも感じる馬鹿高い生活費、こんなところからも見えてきます。ただし、高級格安スーパーに関わらず、特売は頻繁におこなわれており、特売品は平均で30%安いのだそうです。チラシをよく見て、特売を狙う人の勝ちということでしょうか。いままで、特売や安売り、特に機を停めていなかった私ですが、平均30%も安いと聞くと、きちんとチラシをチェックしなくてはらない気になってきますね。

    スーパーマーケットの基本情報については、こちらのコペンライフスーパーマーケット」でも見ることができます。

     

  • Møde通信 Vol.2: デンマークで出会った「NIHONGO」たち

    Møde通信 Vol.2: デンマークで出会った「NIHONGO」たち

    Goddag! Jeg hedder Arisa KONISHI. Det er hyggeligt, at du læser her!

    こんにちは、北欧研究所アソシエイトパートナーのArisaです。高校在学時に勉学に励みすぎ、人生に悩んだことがきっかけで「世界一幸せな国」デンマークに留学。その後、まんまとデンマークに魅了されて北欧言語と北欧文化・社会を日本の大学で学びつつ、現在はコペンハーゲンの大学に留学中で人類学を専攻しています。生来の食いしん坊を北欧の土地でも発揮する傍ら、日本でも注目されているデンマークの教育を人類学の視点から研究しようとしているところです。

    デンマークでの日常には、母国日本では考えられないようなびっくりすることがいっぱい!他にもデンマーク人の生活に隠れているキラキラしているものや、気になるものにフォーカスしてお届けしていきます♪Feedbackや、コメント、「あ、それ同感!」という声もお待ちしています!

    今回のテーマは、デンマークで出会った「NIHONGO」たち!

    世界によく知られている日本文化・日本語といえば、「Sushi」「Kimono」「Samurai」「Manga」などが代表例でしょうか。デンマークでもこれらの日本語を耳にすることは多いです。でも、デンマークで知られている「NIHONGO」を侮っちゃあいけません!他にも意外なところで「NIHONGO」に出会えるんです。

    例えばスーパーマーケットで頻繁に目にする「Shiitake-svampe」。そう!「椎茸」です。Svampeはデンマーク語で「キノコ」の意味なので、日本語に訳すと「椎茸茸」となってしまいますが、そこはご愛嬌。私はホームシックになったら椎茸を眺めて凌いでいます。

    お次は、「Panko」。もちろんパン粉のことです。デンマークにもパン粉はあるのですが、粒が小さいので、デンマークのものよりも粒が大きいパン粉のことを特に「Panko」と呼ぶそうです。

    料理番組などでよく耳にするのが「Umami」。どうやら、「Umami」と言うのが流行っているらしく、「野菜のUmamiが出ていますね。」などのテレビ番組でのコメントや、一般人の料理中でも耳にします。ちなみに発音のアクセントは「ma」にあるので、違和感のある発音で目立ちます。

    他にも、かぼちゃの品種による「Hokkaido-græsker」(北海道かぼちゃ)もスーパーマーケットではお馴染みです。

    食べ物以外では、ガーデニングの「Kokedama」(発音は「KokAdama」に近い。)(苔玉)が紹介されていたり、日本の調味料など(例えば「Mirin」)も日本語のままでの表記が多いです。

    ここで気になるのが、デンマーク人の発音です。日本語のまま表記されているのはありがたいのですが、デンマーク語はアルファベットの表記と発音が異なる場合が多く、いくつかのアルファベットの組み合わせではデンマーク語独特の発音になることがあります。例えば、「Geisha」。日本語の発音では「げいしゃ」ですが、デンマーク語表記での「ei」は「あい」と発音されるので、「がいしゃ」となります。デンマーク人の口から初めて聞いた時は「外車」を想像していました。他にも、「Mirin」は「ri」の部分がデンマーク語の喉を使う音になるので「みりん」には聞こえません。これからデンマークに日本製品を輸出しようとしている方は要注意ですね。一度デンマーク人に発音してもらってから、輸出してくださいね。

    日本の物がデンマークでも予想以上に多く出回っています。「この分野での日本商品の需要はあるのか。」などの市場調査のご依頼でも日本商品を見かけることも多くなるかも知れませんね。デンマーク市場に「Kotatsu」は早く来ることを祈りつつ、今回はこの辺で・・・次回もお楽しみに。

     

  • Møde通信Vol.1: デンマーク国立博物館  企画展Pigen med Parasollen

    Møde通信Vol.1: デンマーク国立博物館 企画展Pigen med Parasollen

    はじめまして。北欧研究所パートナーのAYAKAです。

    デンマーク人の旦那とデンマーク暮らし。「全く知らない国で暮らしたい。」そんな思いで日本を飛び出しデンマークの高校に留学してから早10年。腐れ縁、いや、”縁あって” 再びデンマークで生活しています。ダンスとラテンアメリカ(なぜ、そんな人がデンマークに!?)を愛する大阪人。 他では聞けないデンマーク在住ならではのお話をここでしていけたらな。と思っています。どうぞお付き合い下さいませ。
    さて、自己紹介が長くなりましたが、本題。2014年4月末までデンマーク国立博物館にて日本の写真彩色コレクションの企画展示 Girl with Parasol / Pigen med Parasollen が開催されています。そのオープニングセレモニーにて通訳、アテンド業務をさせて頂きました(詳しくはこちら「博物館展示支援」「博物館展示オープニング支援」)。

    この展示は1870〜1900 年代の白黒写真に手描きペイントした日本写真の展示。また現代の写真文化、芸術としてプリントシール(一般にプリクラと呼ばれる)にまつわる展示。そして北欧初となるプリントシール撮影機の設置もある。20世紀初頭の写真撮影、印刷(彩色)技術〜現代の写真撮影、印刷技術の移り変わりも見れるというもの。

    この展示にすっかり虜にされてしまった。

    まずは、白黒写真に手描きで彩色した写真の数々。この色使いに引き込まれます。鶏卵紙と呼ばれるセピア色の紙に印刷されている白黒写真に職人が彩色。紙のセピア色と合間って、絶妙な色合い。また髪の毛1本までも色付している職人技は圧巻。 このコレクションの持ち主はスイス、Luegoにある Museo delle cultureとだけあって写真のチョイスが”外人目線”でまた面白い。外で風呂に入る日本人女性達、身嗜みを整える女性。100年以上前の日本が、職人技の光るフルカラーによって蘇り、私は写真を見ながら当時に生きて見たかった、、と自分の妄想の世界に入り込んでしまいそうに。

    次にプリントシールを自分達で実際に体験できるので久しぶりに撮ってみた。いざプリントシール機の中に入ってポーズを決めるとテンションが上がった。在デンマークスイス大使も楽しそうに撮って、落書きも楽しんでいた。他の人も、楽しそうな声が機械越しに聞こえてくる。プリントシールのエンターテイメント性は世界共通。これを生み出した同じ日本人として、嬉しくなった。

    日本人以外の人がプリントシールを撮っていて気が付いた。プリクラ世代の日本人は、自分を可愛く、綺麗に見せる撮り方が上手い。英オックスフォード辞典発表、2013年を代表する言葉「オックスフォード・ワード・オブ・ザ・イヤー」は“自分撮り”した写真を示す「selfie」(セルフィー)。そんな「Selfie」の日本人の上手さにプリクラの影響が少なからずあるのではないだろうか。

    今回の業務はいつも以上に気づかされることの多い業務で、忘れられない業務の一つになりそうです。

    皆様、機会があればこの企画展、是非足を運んでみてください。

  • 絵本ワールド

    絵本ワールド

    北欧では、昔ながらの絵本が時代を超えて、年代を超えて楽しまれています。日本でよく知られているアンデルセン童話も子供ばかりでなく大人も楽しめる深ーい意味の隠されているお話だって知っていました?
    おじいちゃんもおばあちゃんも、パパもママも小さい頃に読んできたお話だから、子供との会話も絆も深まります。
    昔から大切にされてきた社会に根付く価値は、今も生きているんですね。月日がたってもその価値は変わらない、日本の図書団体の依頼で、そんな北欧の絵本をまとめ、紹介しました。