インターン体験記:吉里柚波
私は、2025年2月から7月までの6ヶ月間、北欧研究所でインターンをさせていただきました。北欧の地で、自身の専攻分野や関心テーマへの理解を深めたいと長年望んでいた留学でしたが、実際には北欧研究所の一員として多様な調査や発信業務に携わり、想像以上に多くの学びと実践の機会を得ることができました。私にとって非常に貴重な時間となりました。
北欧研究所での主な業務は、脱炭素技術やエネルギー、高齢者、まちづくりに関する調査・レポート執筆のほか、共催カンファレンスに関連するツアーの企画・実施、Facebook運用などです。特に、再開発地区ノーハウンでの街歩きツアーでは、デンマークのまちづくりにおける先進事例を学び、それを参加者と共有できただけでなく、普段は接点を持ちにくい方々と直接対話する機会にも恵まれました。また、資料やレポート作成を通じて、正確性や読みやすさを重視した情報発信の大切さを再認識すると同時に、自身の強みと課題を見つめ直す機会にもなりました。
インターン業務と並行して、個人研究として「都市計画の公共空間設計への反映に関する研究 —デンマーク・フレデリクスベア市庁舎裏広場を事例として— 」にも取り組みました。限られた期間で納得のいく成果を出すことは容易ではありませんでしたが、問いを立てて掘り下げ、文献調査・インタビュー調査・質問紙調査・観察調査を組み合わせながら、現地でしかできない研究を進めることができました。その過程で、多角的にまちを捉える視点を養うことができたと感じています。
これらの経験を通じて、私は異なる制度や価値観を比較しながら考える姿勢を身につけました。デンマークをはじめとする北欧諸国の事例や時事問題、ライフスタイルに触れるたびに、日本との制度的・文化的な違いを意識する機会が増え、自らの考えを深めるきっかけとなりました。
最後に、この場をお借りして安岡さんをはじめ、石本さん、樋口さん、川中さん、そして業務や研究でお世話になったすべての皆様に心より感謝申し上げます。今回の経験を糧に、残りの学生生活や将来のキャリアに向けて、探究と挑戦を続けていきたいと思います。本当にありがとうございました。
吉里柚波